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親の介護をすることになれば、どうしても、親との同居を考えることになります。介護以前から同居している人には当てはまらない話ではありますが、親との同居というのは、想像以上に、双方にとってストレスの大きなものになります。
まず、少なからぬ介護のプロたちは、介護をきっかけとした親との同居はオススメしていません。特に、親の自宅を売り払って同居するという決断は、同居がうまくいかなかった時に、自宅に戻るという選択肢を親から奪ってしまいます。
もちろん、親のことが心配という気持ちは理解できます。また、親としても、できるだけ子供や孫と一緒にいたいという気持ちがあることも当然です。しかし、そうしてお互いのことを愛していても、同居というのは、大きなトラブルの元になってしまうことも多いのです。
トラブルの原因には様々なことがあるのですが、共通しているように思われるのは、親子のパワーバランスがおかしくなってしまうということです。親からすれば子供は子供であり、自分の責任で守る必要のある対象です。しかし、子供とはいえ、親が高齢者になっていれば、立派な成人です。
親から「こうしなさい」「ああしなさい」といったことを言われたくないのは当然でしょう。そんな親子であっても、たまに顔を合わせる程度なら、楽しく時間を過ごせるかもしれません。ただ、それが毎日ともなると、話は変わってきます。
親は、いつまで経っても親>子供というパワーバランスを維持したがります(もちろんそうでない親もいます)。しかし成人になっている子供は、親=子供くらいのパワーバランスで考えていますし、いざ、親に介護が必要になると親<子供といった状況にもなりやすいのです。
いきなり、親の自宅を売り払っての同居は、リスクがとても大きいと認識してください。それでも同居を考えたい場合は、お試し期間として、数ヶ月程度、一緒に暮らしてみると良いでしょう。そのときは、自分だけでなく、自分のパートナー(義理の子供)や子供(孫)の意見も大事になります。
当たり前ですが、まず、こうしたお試し同居をすると、想像以上にプライバシーが守られなくなることに気づくはずです。介護が必要になった親は、基本的に、ほとんどの時間、自宅で過ごすことになります。そのうえ普通は、お風呂やトイレもずっと共同になります。
子供である自分は、そうした親子の関係に慣れているかもしれません。しかしパートナーは、例えば、これまでのように下着姿でウロウロすることもできなくなったりします。自分にとっては親でも、パートナーにとっては他人から関係性が始まることには注意する必要があるでしょう。
そしてパワーバランスという意味でも、親と同居すると、親がその世帯でもっとも上の存在になるのか、それとも、子供が上になるのかで、精神的なストレスが発生するようになります。それで口論になることが日常になってしまえば、同居は続けられません。
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