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これまで、KAIGO LABでも何度か記事にしてきましたが、介護は、男女の性差を浮き彫りにします。もちろん、こうした情報は、あくまでも介護現場から聞こえてくる一般論です。それぞれに個性があり、そのまま誰に対しても当てはまるというものではありません。
あくまでも一般論とした上で、要介護者(両親)と介護者(子供)という視点から、男女の性差を「介護マトリクス」としてまとめてみます。繰り返しますが、これは限られた現場観察から見える傾向で、この考え方には全くあてはまらないケースも多数あります。
この記事は「うちの場合は、ここは違うな」とか「あー、これはあるな」といった具合に、家族でのコミュニケーションのネタとして使っていただくことを目的としています。
男性の高齢者にとって、妻との関係性は、幸福度に大きな影響を与える要素です。ただ、この点も含めて、男性の要介護者は、本当は自分が何を求めているのかを発言することが(テレもあって)できません。本音ベースでは、デイサービスが嫌なのではなくて、妻と離れて活動することが嫌だったりします。また、妻の介護をすることになった場合、家事にも疎く、すぐには戦力にならないケースが多いようです(家事のトレーニングなどが必要)。
女性の高齢者にとって、経済的な自立はとても大事です。経済的な自立を通して、精神的にも自立していたいと考えます。精神的には、夫への依存性はあまり大きくないようです。女性の要介護者は、自分にかかる介護費用のことを気にしがちです。「そんなことにお金を使う必要はない」という発言にそのまま乗ると、家族の介護負担は減らなかったりします。元気な場合、介護における大きな戦力になります。
特に母親の身体に触れるのが苦手で、介護に関わりたがらないことも多いようです。介護に積極的な場合、介護現場でも、ビジネスと同じように活躍をして認められたいと考えて頑張ります。しかし、誰かに助けられるくらいなら、自分でなんとかしようと抱え込み、結果としてからまわりすることも多いようです。とにかく自分の考える理想に向かって完璧主義に向かいがちなので、仕事やプライベートなど、様々なものごととの落とし所をみつけないと、折れてしまいます。
現実には、介護の主戦力を担うことが多いです。周囲からの期待が大きく、本人が望まなくても介護の全てを押し付けられる傾向があります。自分ばかりが介護をさせられていることに不満をつのらせ、結果として離婚に至ってしまうケースも増えています。周囲の助けと負担の分散が必要です。協力さえ得られれば、介護の全体を把握し、それぞれの感情にも配慮することができ、介護の中心的な役割を担えます。
上記のように、要介護者も介護者も、男女の性差が見られることはよくあります。「自分はこんなに頑張っているのに・・・」という気持ちになるときこそ、立ち止まってみてください。
誰もが、介護問題をどうにかしたいと考えているのは同じです。そこへのアプローチに違いがあって、チームとして機能していないだけかもしれないのです。自分にも、どこかおかしいところがあるのかもしれないという視点から、お互いに歩みよることはできないでしょうか。
そもそも、介護の進め方について、家族の皆で、きちんと話し合うということをしないと、どうにもなりません。お互いの不満を理解し、お互いに譲歩できるところがないか確認したいです。また、よい介護サービスがないかどうかを、あらためて手分けして探すといったことも必要でしょう。
介護は、長期戦です。長期の介護を元気にすごすためには、愛し合う家族が、お互いに協力することが必要です。辛いときこそ、家族で過ごした楽しい思い出を皆で振り返り、介護の中であっても、少しでも暖かい気持ちになれる機会を作りたいものです。
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