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訪問介護のハラスメント、約半数が被害にあったことがある・・・

訪問介護のハラスメント、約半数が被害にあったことがある・・・

介護業界がハラスメントに苦しんでいる

介護現場では、女性が多く働いています。特にヘルパーは、その80%以上が女性です。そんな介護現場では、かなり昔から、介護を必要とする高齢者から、セクハラやパワハラを受けたという話があとを立ちません。

これまでも、そうした介護現場におけるハラスメントの調査は、いくつか存在してきました。しかし、そうした調査は、特定地域や特定事業者を対象としたものであり、大規模な実態調査はなかったのです。

そうした中、厚生労働省が、初めて、大規模な実態調査(全国2,155事業所 / 介護職10,112人)を行いました。この中でも、突出していたのが訪問介護に従事するヘルパーの受けているハラスメント被害でした。

まず、訪問介護でヘルパーをしている人の半数が、何らかのハラスメントの被害を受けていました。その内訳は、暴言などの精神的暴力の被害(81%)、何かを投げつけられたと行った身体的暴力(42%)、そしてセクハラ(37%)という結果でした。

事業者毎の対策とはいえ・・・

もちろん、介護事業者は、それぞれに対策を考えて、行動しています。ハラスメントの常習者になってしまっている高齢者のところには、男性のヘルパーを派遣すると行ったことは、かなり昔から行われています。

しかし、そうした介護事業者毎の対策には限界があり、ハラスメントを行う高齢者は、数としても増えてきているようなのです(高齢者の絶対数が増えるので当然のことですが)。

介護事業者としても、ただでさえ人手不足なのに、こうしたハラスメントをきっかけとして、職員がやめてしまうのは、本当に困るのです。そして、ハラスメントをきっかけとして職員がやめる時は、転職ではなく、介護業界を離れてしまうという点でも問題が非常に大きいのです。

厚労省も、これを理解しているからこそ、今回の大規模な実態調査を行なったのでしょう。次は、介護事業者毎の対策に加えて、国として、全国一律のハラスメント対策が期待されています。

訪問介護の特殊性

高齢者になって介護が必要になれば老人ホームと考えている人は少なくありません。しかし老人ホームに入居できるのは、一部のお金持ちだけだという認識は、とても重要です。老人ホームにもよりますが、一般には、毎月30万円近いお金がかかるのです。

ほとんどの高齢者は、介護が必要になっても、自宅で過ごすことになります。そうした時は、どうしても訪問介護に頼る必要が出てくるのです。自宅という密室で、1対1で行われることが多い介護においては、ハラスメントが発生しやすい条件が整ってしまっているわけです。

プライバシーの問題があるのは当然なのですが、そうした環境で仕事をしいられる人には、常時録音と非常時警報の機能を持ったIoTを持たせておくことも必要になってきそうです。

とても悲しい話ではありますが、現実は現実です。介護業界を少しでも働きやすい場所とするために必要な措置は、国がリーダーシップを持って対応すべきものです。少しでも早い対策の実施が必要です。

※参考文献
・共同通信, 『訪問介護、半数ハラスメント被害 利用者から職員、初の実態調査』, 2019年3月24日

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