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睡眠の質が、認知症と関連する?睡眠の新時代はくるか

睡眠の質が、認知症と関連する?睡眠の新時代はくるか

睡眠とはなにか

人間に限らず、多くの生物が、睡眠をとります。これはかなり不思議なことです。なぜなら、睡眠中は、捕食者(人間にとってはライオンやトラ、オオカミなど)に命を狙われやすいはずで、実際に、寝ている時に襲われて命を落としたことも多かったはずだからです。

しかし、多くの生物は、睡眠を取らないという方向に進化しませんでした。これは、寝ている間に、捕食者に襲われる可能性があっても、寝ていた方が、生き残る確率が高まったことを意味しています。

要するに、生物にとって睡眠は、非常に大きな意味を持つということです。この点については、自然淘汰を生き延びた生物の多くが寝ることからも、疑えません。しかし、睡眠にはどのような意味があるのかは、まだ(完全には)科学的に解明されてはいないのです。

とはいえ、睡眠を取らないと、成長が遅れ、脳の機能が低下し、免疫力が下がり、様々な方向での悪影響があることはわかっています。そうした悪影響の一つとして、認知症が指摘されています。

睡眠の質と認知症の関係

認知症の原因となる病気は多数あります。その中でも、6割以上の認知症の原因とされるのが、アルツハイマー病です。アルツハイマー病は、アミロイドβと呼ばれる老廃物が脳内に蓄積すると発症すると考えられています。

この老廃物であるアミロイドβが、寝ている間に、脳内から除去されているという可能性が指摘されました。もしこれが本当なら、睡眠の質を高めることが、認知症の予防になる可能性があります。以下、WIREDの記事(2019年3月16日)より、一部引用します。

脳の活動と睡眠の関係性を示す新たな研究結果が明らかになった。このほど科学学術誌で発表された「睡眠と脳の清掃機能」の最新研究が示しているのは、睡眠不足とアルツハイマー病の関連性や、ある種の麻酔が高齢者の認知障害につながる理由などだ。(中略)

われわれが年齢を重ねるにつれ、深いノンレム睡眠を達成するのが困難になることが知られていることから、この研究結果は、加齢・睡眠の質・アルツハイマー病の強い関連性に、臨床的な一石を投じることになるだろう。(後略)

睡眠の質を高める研究

認知症との関連があろうとなかろうと、睡眠が大事であることは、ずっと以前から認識されてきました。多くの生物が寝るという状況証拠からも、その本当の理由は不明であろうとも、とにかく、睡眠は大事なのです。

ただ、私たちの普段の睡眠はといえば、昔と比べても、せいぜい、ベッドや枕が良くなっている程度だったりします。むしろ「睡眠が大事!」というニュースに触れても、仕事や勉強、育児や介護が忙しくて、慢性的な寝不足になっているのが現代人の姿でしょう。

しかし最近では、スマホで簡単に使える睡眠を監視するアプリが市民権を得つつあります。この流れが、IoTとしてあと一歩進めば、いよいよ人類の睡眠は、全体としてより高い質を得られる世界になるかもしれません。

日本でも、認知症の人が1,000万人を突破しようとしている今こそ、睡眠を見直す必要があるのだと思います。しかし見直すといっても、睡眠については、具体的にできることがなんなのか、良くわからないという側面もあります。こうした分野でこそ、技術的なイノベーションが求められています。

※参考文献
・WIRED, 『「脳の老廃物」を除去するには、深い睡眠が必須だった:研究結果』, 2019年3月16日

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