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健康寿命(healthy life expectancy)とは、簡単に言えば、介護が必要ない状態で生活できる年齢です。正確に言えば、継続的な医療や生活支援に依存せずに日常生活を送れる年齢です。要するに、健康寿命の数字は、平均的に、介護がはじまる年齢を示しています。
この健康寿命は、厚生労働省が3年に1度、調査(国民生活基礎調査)を行い、推計値を発表しています。現時点での最新データは、2016年のもので、次回は2019年(発表は2020年)になります。そんな健康寿命の最新データ(2016年)は、男性72.14歳、女性74.79歳となっています。
親の年齢が、この年齢に達していれば、すでに介護がはじまっていることもあるでしょう。「うちは大丈夫みたいだよ?」と思う人も、注意してください。それは単に、日常的に無理をしているだけで、実際には、介護を入れたほうが、後の重度化を避けられるかもしれないからです。
介護が何年続くのかという話は、多くの人が求めているデータです。ただ、これを正面から調査するのは困難です。そこで、よく用いられるのが、何年生きるのかという平均寿命から、介護がはじまる年齢としての健康寿命を引き算するという方法です。
現時点で最新の平均寿命のデータ(2017年)によれば、日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.26歳となっています。ここから、先の健康寿命を引き算すると、介護が必要となる期間は、男性8.95年(81.09-72.14)、女性12.47年(87.26-74.79)ということになります。
男性のほうが短い本当の理由はわかりません。ただ、介護現場の話を聞いていると、男性は、介護が必要になっても、なかなかその状況を受け入れず、要介護認定も積極的には受けないこともあるようです。男性の介護期間も、実質的には、もう少し長い可能性も想定されます。
この計算方法によれば、介護は、少なくとも10年程度は続くと想定する必要性が見えてきます。男性の場合は早めの要介護認定が必要になり、女性の場合は介護期間が12年以上となることも考慮しておく必要があります。
家計経済研究所(公益財団法人)の調査によれば、在宅介護にかかる費用は、平均で月額6.9万円です(別の年の調査では、この数字が5万円となっているものもありますが、悪いほうの数字を参照しています)。これが10年間続くとすると、約830万円ものお金がかかります。
両親が健在であり、かつ、将来の自分自身にも介護が必要となることを考えれば、人生設計において、介護には約2,500万円(約830万円・3人分)のお金を想定する必要があります。ここには食費や家賃は含まれていないことと、在宅介護から老人ホームでの介護になるともっとお金が必要になることには注意してください。
※参考文献
・家計経済研究所(公益財団法人), 『在宅介護のお金と負担」の調査報告』, 2013年
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