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70歳以上の人口が2割りを超える(敬老の日)

70歳以上の人口が2割りを超える(敬老の日)

世界最高齢の国がさらに進む

日本は、世界で最も高齢化が進んでいる国です。そんな日本、敬老の日に合わせて発表された推計人口によれば、ついに、70歳以上の人口が2割を超えたとのことです。以下、日本経済新聞の記事(2018年9月16日)より、一部引用します。

「敬老の日」を前に総務省が16日に発表した推計人口(15日時点)によると、70歳以上の人口は前年比100万人増の2618万人だった。総人口に占める割合は20.7%で、初めて2割を超えた。65歳以上の高齢者も44万人増の3557万人で、全体の28.1%と過去最多だった。(中略)

70歳以上の人口の増加は、1947~49年生まれの「団塊の世代」が17年から70歳を迎え始めたことが背景にある。65歳以上の人口を男女別にみると、女性は24万人多い2012万人で、初めて2千万人を超えた。男性は20万人増の1545万人だった。(後略)

なんとか働いてもらうことが大事

現在の高齢者は、昔の高齢者よりも、実質的に10歳は若いという研究もあります。70歳になっても、まだまだ元気で、十分働けるという人も多数いるわけです。仕事をしていると、社会との接点が維持され、健康でいられる時間が長くなるというのは、高齢学の世界では常識でさえあります。

仕事を通して社会とつながり、高齢者が少しでも健康を維持するということは、国の税収という意味でも非常に重要です。引退してしまえば、高齢者は、年金や医療費、介護費など、税金を使うばかりの存在にもなりかねません。しかし仕事をしていれば、健康に、税金を納め続けることもできるわけです。

あまり話題にはなりませんが、たとえ、介護が必要な状態になっても、仕事をすることは大事です。介護が必要だからといって、家でじっとしていないとならないことはありません。そもそも介護とは自立支援ですから、仕事をするために介護サービスを使うというケースも、今後ますます増えていくでしょう。

これから介護の概念が変わっていく

介護をされながらも、社会との接点を維持する高齢者が増えていくと、国全体の意識も変化していきます。たとえば、目が悪い人がメガネをかけていることを、介護だと感じる人は少ないと思います。しかしメガネは、目が悪い人にとっては立派な自立支援の道具であり、介護用具とも言えるわけです。

介護をしたり、介護されたりといったことが、本当に当たり前のことになる社会がやってきました。年齢差別のようなものが許されないのと同じように、介護を必要とするからといって、おかしな方向に特別扱いすることのない、真の意味でバリアフリーな日本に向かっていってもらいたいものです。

そうした社会に向けた鍵になるのは、教育です。心身になんらかの障害を持った人を社会的に隠すのではなく、共存していくことが、日本の国力に直結していきます。ある意味で社会規模の「慣れ」が必要なのであって、それを加速させる仕事が教育に求められています。

※参考文献
・日本経済新聞, 『70歳以上、初の2割超え 働く高齢者も最多』, 2018年9月16日

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