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【重要・動画】特養は本当に増えるのか?人材に投資しないとどうにもならない

特養の現実

特別養護老人ホーム(特養)を増やすという政府方針だが・・・

以前にも記事にしたとおり、国は特別養護老人ホーム(特養)の増設を決めています。中身は、今のところ、特養の建物を増やす方向に寄っているように見えます。

しかし、現在もっとも特養で問題になっているのは、建物ではなくて、人材が足りないことです。FNNの『ニッポンの死角』が、今年の春(2015年4月1日)に、この問題の本質に迫っていました。この動画を見れば明らかですが、公式で52万人が入所待ちをしているという既存の特養は、部屋はあまっているのです。

今回の政府方針において、本当に重要になってくるのは、人材にお金を使うことです。介護職の報酬は、他の職種よりも平均月給にして10万円も安いにもかかわらず、夜勤があり、激務です。人の役に立ちたいという善意の人材でも、これでは続けられません。
 

もっと人材への投資を検討すべきでは?

マクロ経済学的に見れば、公共投資には意味があります。しかし、いわゆる建物(ハコ)への投資の場合、そのお金の少なからぬ部分は、建築材料(建材)の費用となります。それら建材は、輸入材も多く、せっかくの税金が海外に流れたりします。

これに対して、介護職の給与を高めることは、税金が、そのまま日本国内にとどまることになります。マクロ経済的に、こちらの意義をもっと研究すべきではないかと思うのです。

立派な特養の建物があっても、そこで働く人材がいなければどうにもなりません。特養の建築には、15〜20億円というお金がかかります。他に土地代もかかります。しかし、先の動画などによれば、特養では、部屋はあまっている可能性があるわけです。

給与が安いだけではありません

いうまでもなく、介護は大変です。特に、施設にいる要介護度の高い高齢者の対応は、本当に大変です。マスコミでは、高齢者に暴力を働いた介護職員の話ばかりがクローズアップされます。ですが、要介護者に暴力を振るわれる介護職員の話は、まず取り上げられません。

認知症の高齢者の中には、体力的に強くて、攻撃的な人もいます。そうした高齢者から、介護職員が暴力を受けることもあります。特に女性は、怖い思いもします。そんな仕事が、月の手取りで20万円を切るのです。時給で考えたら、普通にバイトをしたほうがよいレベルです。

こうした、介護現場における安全面などについても、高齢者を守るという視点だけでなく、介護職員を守るという視点での投資が必要です。本当に、建物だけの問題ではありません。そこに対する、しっかりとした調査が必要です。

外国人を雇うというのは、憲法違反にならないか?

そういう厳しい仕事をする日本人がいないなら、外国人をという流れもあります。しかし、それは本当に、正しいことでしょうか。きつい仕事だから外国人でいいのでしょうか。本当にそれが、過去の先輩方が築いてきた「日本の威厳」を守ることでしょうか。日本国憲法前文には、次の文章があります。

われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

この介護の現場が、非人間的な職場だからということで、そこに外国人を配置することが解決なのでしょうか。今いちど、介護の現場に目を向けて、あるべき姿から議論をして、理想と現実のギャップを埋めるための施策を作るべきだと思います。
 

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