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行き過ぎた糖質制限にご用心?糖質制限が老化を進める可能性

行き過ぎた糖質制限にご用心?糖質制限が老化を進める可能性

糖質制限ダイエットが大ブームに

糖質制限ダイエットが大ブームになっています。結果を保証するタイプのトレーニングジムの登場がきっかけで、手軽に体重を落とすことができる手法として、糖質制限に注目が集まったことが背景でしょう。実際に、KAIGO LAB編集部にも、糖質制限ダイエットをしている人もいます。

お弁当でも、ごはんの代わりにブロッコリーが入っているものを見かけるようになりました。ラーメン店なのに、麺の代わりに野菜を入れたメニューも生まれています。こうしたブームを背景にしているからか、糖質制限のリスクについて考える機会は決して十分とは言えません。

高齢者の中にも、TVの影響か、糖質制限ダイエットをしている人が増えてきているようです。糖尿病の高齢者もいるので仕方がないとはいえ、介護現場の話を聞くと、糖尿病ではないのに、糖質制限ダイエットをしている高齢者も多くて心配になることもあるそうです。

糖質制限ダイエットの新たなリスクが発見された?

そんな中、東北大学が、糖質制限は老化を促進してしまうというリスクについて発表しています。手軽に体重を落とせる代償として、老化が早まってしまうことを選択するのが、本当に良いことなのでしょうか。以下、日刊工業新聞の記事(2018年3月19日)より、一部引用します。

東北大学大学院農学研究科の都築毅准教授らは、糖質を抑えた糖質制限食を食べ続けると、体の老化を促し、健康に影響をもたらす恐れがあることを示した。炭水化物を与えずにマウスを約1年間育てたところ、見た目や学習機能で老化を促進させていた。マウスでの成果とはいえ、適切な糖の摂取の重要性や食生活の見直しなど、昨今の糖質制限ブームに警鐘を鳴らす内容と言えそうだ。

マウスに、脂質、糖質、たんぱく質のバランスが日本食に近い「通常食」と、炭水化物を脂質とたんぱく質に置き換えた「糖質制限食」のどちらかを与え、両群20匹ずつを使って実験した。(後略)

あくまでもマウスでの実験結果とはいえ、考慮すべきリスクでしょう。適度な運動によるダイエットではなく、糖質だけを制限するような方法が、本当に健康のためになるのかは疑問です。糖質制限の功罪については、まだわからないことが多く、簡単に結論を出すべきではないと思います。

専門家の意見を聞きながらダイエットを考えたい

それでも、ダイエットをしたいという人は多いはずです。実際に太り過ぎは身体によくありません。ダイエットをすることにした場合は、栄養のバランスを考慮しながら摂取するカロリーを減らし、適度な運動を心がけることで消費するカロリーを増やすことを考えなければなりません。

運動をしないで痩せた場合、贅肉だけでなく、筋肉まで落ちてしまいます。すると代謝が悪くなってしまい、中性脂肪が増えることになります。見た目では痩せていても「隠れメタボ」になり、そうなれば、心臓病や脳卒中のリスクが上がってしまうのです。

運動するのが面倒だからということで、糖質制限だけでダイエットをしようとすれば、思わぬリスクを抱え込むことになる可能性があります。糖尿病などが疑われる場合は特に、医師に相談しながら、食事制限と運動をしていく必要があります。

※参考文献
・日刊工業新聞, 『糖質制限が老化促す 東北大、マウスで確認』, 2018年3月19日

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