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子供の数が、過去最低を更新。締め付けられる団塊ジュニア世代の未来は江戸時代に?

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子供の数が、過去最低を更新した

日本の総人口における子供(15歳未満)の割合は約12%です。これは、高齢者の割合である約28%と比較しても、いかに少ない数字であるかがわかります。なお、ここまで子供の割合が小さいのは、世界の主要国の中でも、特に日本が際立っています。

なお、日本の総人口における子供の割合は、44年連続で低下しているとのことです。日本の政治的な無策を嘆くことも需要ですが、もはや、根本的な打ち手は残されていません。以下、朝日新聞の記事(2018年5月4日)より、一部引用します。

15歳未満の子どもの数は1553万人(4月1日現在)で、前年より17万人減り、1950年以降で過去最低となったと総務省が4日発表した。37年連続の減少。ピークだった54年(2988万人)のほぼ半数に減った。総人口に占める子どもの割合は12・3%で、世界でも最低水準だった。

「こどもの日」に合わせて国勢調査の結果などから推計した。男子が795万人、女子が758万人で、男子の方が37万人多い。年齢別では、0~2歳293万人▽3~5歳298万人▽6~8歳313万人▽9~11歳323万人▽12~14歳326万人と、少子化で年齢が低いほど少ない。(後略)

これから20年の団塊ジュニア世代は・・・

団塊ジュニア世代(1971〜1974年生まれ)は、現在40代半ばに到達しています。この世代はベビーブーマーのため、人口ボリュームが特に大きくなっています。そして団塊ジュニアの親である団塊の世代(1947~1949年生まれ)もまた、特に大きな人口ボリュームを持っていることは常識でしょう。

今後20年という期間を考えたとき、団塊ジュニア世代は、仕事と親世代の介護の両立に苦しみます。介護のために時間とお金がかかりますから、団塊ジュニア世代は、それほど大きな貯蓄はできないでしょう。では、20年後、定年退職となっていく団塊ジュニア世代の介護はどうなるのでしょうか。

日本の高齢者福祉は、若い世代からお金をとって、そのお金を高齢者にまわすという賦課方式(ふかほうしき)を採用しています。賦課方式は、若い世代の数が多く、相対的に高齢者の数が少ないときにだけ機能する仕組みです。

団塊ジュニア世代の社会福祉は江戸時代よりも低いレベル?

しかし・・・20年後には、日本史上最低の子供の数と、日本史上最高の高齢者の数という逆転が起こっています。今回のニュースにあるとおり、子供の数は減り続けています。20年後には、その子供たちが若手人材として社会人になり、納税者になっています。しかしその数は、高齢者を支えるにはあまりにも不足しているのです。

当然、若い世代から納付されてくる税金に依存して、老後の生活を組み立てることはできません。具体的には、まったく足りない貯蓄や年金と、上がり続ける税金に板挟みとなっているはずです。それならということで、仕事をしようとしても、人工知能の台頭によって就職先は足りないという事態が想定されます。

そうした中、介護サービスは、富裕層でなければ入手できないほど高額になっているでしょう。そうなると、団塊ジュニア世代が高齢者となり、介護が必要になったとき、それを支えてくれるのは誰でしょうか。江戸時代の五人組のような、無償でお互いを支え合う社会福祉しか、残されている手段はなさそうです。

しかし、史上最悪と言われた受験戦争と、これも史上最悪と言われた就職氷河期を経験させされた団塊ジュニア世代は、周囲と助け合うことではなく、周囲と競争することしか学んできていません。そうした団塊ジュニア世代が、本当に五人組を組織することができるのか、大いに疑問なのです。

※参考文献
・朝日新聞, 『子どもの数、ピーク時のほぼ半分に 50年以降では最低』, 2018年5月4日

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