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日本は、人類史上、例のない少子高齢化社会に突入しています。これが、日本にとって最大の課題であり、しっかりと対応できなければ国家として成立しないほどの危機にもなりえます。他にも様々な問題があるのは明らかですが、少子高齢化こそが、本丸の問題なのです。
そうした環境においては、私たちは、楽観的になるのも、悲観的になるのもよくありません。感情を脇において、事実ベースで問題を分析し、取り得る改善策を考慮していく必要があります。現在の日本の政治もメディアも、そうした方向での議論が進んでいないのは残念なことです。
国立社会保障・人口問題研究所は、1996年に、厚生省の人口問題研究所と、特殊法人社会保障研究所が統合される形で成立した研究機関です。ここでは、日本の人口問題について予測を立てて、国内外の政策や制度の研究が行われています。非常に重要な研究機関です。
先週末(2018年3月30日)に、そんな国立社会保障・人口問題研究所から、最新の人口予測(平成30年推計)が公表されました。その内容について、以下、KAIGO LABとしてコメントをつけながら、簡単にまとめてみます。
2015年以降の日本では、総人口は一貫して減り続けていきます。そうした中でも、2015〜2020年では、42の道府県が人口減少に突入しますが、まだ、東京都や神奈川県では人口が増えている状態です。これが、2030年以降には、全都道府県において、人口減少となります。特に、ギリギリまで人口を増やしていく東京都が、2030年には人口減少に転じるからです。首都である東京都においても人口減少となることは、国のムードを大きく変えることになるでしょう。
65歳以上の人口の増加率については、地方においては、すでに高止まりしてきています。これに対して、大都市圏は、まだ高齢化が進み切っておらず、これから、高齢者が増えていくという状況にあります。特に、東京都、神奈川県、沖縄県においては、2045年の65歳以上人口は、2015年の1.3倍以上になることがわかっています。とはいえ、これは増加率の問題であって、65歳以上の人口の割合が大きいのは地方です。特に秋田県では、2045年には高齢者の人口が過半数(50.1%)となります。
子供(0~14歳)の割合は、全都道府県で一貫して減少していきます。2045年時点で子供の割合がもっとも大きいのは沖縄県(15.3%)で、もっとも小さいのは秋田県(7.4%)です。現役世代(15~64歳)の人口もまた人数でも割合でも減少していきます。特に、ギリギリまで現役世代を増やしていく東京都も、2025年以降は、現役世代を減らすというところが大きいです。現役世代が少なくなれば、税収もまた減り、社会福祉のための財源がさらに厳しくなります。
※参考文献
・国立社会保障・人口問題研究所, 『日本の地域別将来推計人口(平成30年推計)』, 2018年3月30日
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