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今年のインフルエンザは、例年よりも強力です。厚生労働省によれば、所定の医療機関から報告されるインフルエンザの患者数が3週連続で過去最多を更新したとのことです。学校などでの学級閉鎖は、1万件以上にもなっています。
今回のインフルエンザが強力ということが背景にあるのは当然です。同時に、感染源が気になります。そもそも今年のインフルエンザは強力であることは事前にわかっていたことです。にもかかわらず、日本の社会としては敗北としか言えない結果になってしまったのですから。
今年のインフルエンザに限った話ではなく、過去のデータからの考察なのですが、この感染源に関して興味深い報道がなされました。以下、HUFFPOSTの記事(2018年2月3日)より、一部引用します(段落位置のみKAIGO LABにて修正)。
最も高かったのは、乳幼児から家族全体への感染で、976人中118人(12.1%)だった。「乳幼児」は家族の中で一番最初に発症する割合も高い。その後の感染経路をみると「乳児 母親」が17.8%と、幼い子どもから移されているのは「母親」が最も多かった。(中略)
「父親」が最初に発症した場合、父親からの家族全体への感染は348人中30人(8.6%)。乳幼児に次ぐ高さだ。父親由来の感染の割合が多いのだという。「乳幼児 父親」への感染率は6.3%だが、逆に「父親 乳幼児」への感染率は15.4%に増える。(中略)
「家族の間の感染率の差は、意識の差が関係しているのかもしれません。父親からの感染率の高さは、父親がインフルエンザの予防をしっかりするという認識が低いことが伺えます」と廣津院長。(後略)
乳幼児の場合は、大人と比べたときの免疫力の低さとともに、自分でうがい手洗いができないことなども含め、仕方がないところです。問題は、父親でしょう。父親から乳幼児への感染が多いというところも見逃せません。
仮説としては(1)父親のほうが多様な人に接触する(2)父親のほうが予防対策を取らない(3)父親は家庭内でより広く他者に接触する、といったことが考えられます。とはいえ、この本当の理由はわかっていません。
とにかく父親の立場にある人は、今以上にインフルエンザへの感染に注意しないとならないことは明白でしょう。うがい手洗いはもちろん、予防接種なども積極的に活用していきたいものです。
介護のプロの場合は、インフルエンザなどの感染症には相当の注意を払うようにトレーニングされています。ですので、介護のプロとの関わりからインフルエンザになるというケースは、普通の家族と比べれば少ないはずです。
今回の報道では父親が感染源としてのリスクを持っていることが示されました。そうなると介護の文脈では(1)要介護者の男性(2)妻の介護をする夫(3)親の介護をする息子、のインフルエンザへの対応に注意をする必要がありそうです。
高齢者の場合は、インフルエンザによって命を落とすリスクが高まります。そして今年のインフルエンザは、例年になく強力です。周囲の対応も、やや大げさなくらいでちょうどよいはずです。
※参考文献
・livedoor NEWS, 『全国で猛威をふるうインフルエンザ ネットでは「敗北」の声が続出』, 2018年2月13日
・HUFFPOST, 『インフルエンザ、家庭でどう広がる? データにあらわれた意外な結果』, 2018年2月3日
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