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ある、介護をテーマとした掲示板で「介護のプロに親を任せることは、親を見捨てること」という意味の発言をみかけました。その掲示板で、そのまま書き込んでもよかったのですが、せっかくなので、こちらで記事にしたいと思います。
まず、自分にとって大切な人がいます。これは、誰にとっても同じことです。では、そうした大切な人と、24時間365日一緒にいることが良いことかというと、それは違います。
相手が、自分にとって大切な人だからこそ、自分のことも、その人のことも考えて、あえて、一緒にいないこともあります。自分以上に相手のことを考えるのが愛だとするなら、まさに、愛があればこそ、一緒にいないという選択は「よくあること」です。
典型的なのが、子供を学校に通わせることです。子供を学校に行かせるということは、一緒にいないということです。そのとき、親は子供を愛していないということになりません。
もしかしたら、子供は学校に行きたくないというかもしれません。親としても、できるなら一緒にいたいと思うときもあるでしょう。それでもなお、親として子供を学校に行かせるのは、子供の自立を願っているからです。
自分がいなければ、どうにもならないような人になってもらいたくないのです。自分には、いつか「死」が訪れます。相手が、自分を失うだけで、生きていけないような環境を作ることは、愛ではなくて、相手を自分に依存させることで支配するということです。
介護のプロは、要介護者の自立をサポートするプロフェッショナルです。要介護者は、こうしたプロの力を借りて、少しでも自立に近づこうとします。そして私たち介護者は、こうした介護のプロがいてくれるおかげで、要介護者である親と、対等な関係を維持することができます。
対等な関係を維持することは、とても大事な視点です。さもないと、親を自分に対して(過度に)依存させてしまうことにもなりかねないからです。そうなってしまうと、愛し合うことは、かえって難しくなると思います。
本当に相手のことを思うからこそ、介護のプロにお願いすべきこともあるという考え方もあるのです。これを押し付けるつもりはありませんが、同じように、それを否定することもして欲しくありません。
色々な考え方があってよいわけで、これは、自分の考えをそのまま他者に適用することができない、典型的なケースだと思います。
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