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古い常識との戦い(熟年離婚との戦い);介護は親族から1人の担当者(特に女性)を選ぶことではない!

介護を理由とした熟年離婚

そこに存在する古い常識

介護がはじまったとき、兄弟姉妹の間で発生するのが「誰が介護するの?」という議論です。ここに兄弟姉妹の旦那や妻がはいってきて、少なからぬケースで、長男や次男の妻(専業主婦)に白羽の矢が立ちます。

昔は、これでよかったところもあるでしょう。しかし、そもそも現代は、兄弟姉妹の数が少なく、かつ、専業主婦もあまりいないというのが現実です。仮に専業主婦がいたとしても、その人にも両親がいて、そちらの介護が必要というケースも多くなってきています。

もっと言えば、こうした専業主婦は、晩婚化の影響で子育ての真っ最中のことも多いのです。そこに、子育てをしながらの介護(ダブルケア)というむちゃな要求が入り、頭をなやませていたりもします。

ここで不思議なのは、介護を皆で分担せずに、家族の中の1人にそれを押し付けようというとする古い常識です。これがいつごろから常識になったのかはわかりません。しかし、1人を「犠牲」にして、他の皆は普通に暮らすというのは、おかしな話です。もはや、そのような常識は通用しない時代に入っています。

介護は熟年離婚の大きな原因となる

それでもなお、古い常識を通そうとすれば、離婚が待っていると考えてよいでしょう。きちんとした統計は存在しませんが、介護は、熟年離婚の大きな原因とも言われています。特に最近は「介護離婚」という言葉も出てきています。

危ないのは、義理の両親の介護を実質的に1人でやらされている専業主婦です。この専業主婦にも実の両親があり、そちらの介護が必要になった時点で離婚をして実家に帰り、そのまま実家で暮らすというパターンをよく聞きます。

さらに、この専業主婦の子育てが終わっていたりすると、子供は介護の犠牲になってきた母親の味方だったりします。旦那が「そんなに思い詰めているとは知らなかった」とでも言えば、逆に「そこまで私に無関心だったということよね」という返答をもらうことになります。

思い詰めているかどうかではなくて、実質的に介護を1人に背負わせていれば、愛のある生活という意味では、それにてゲームセットです。これは子育てでも、同じことですね。介護でも子育てでも、男性は「自分はやっている」と考えがちですが、相手に本当にそう思ってもらえているケースはそれほど多くはないでしょう。

親類縁者からのプレッシャーをはねのける態度が必要

ばかばかしい話ですが、ケースによっては、介護サービスを活用するだけで「他人に介護をやらせるなんて、親がかわいそうだ」といった非難を受けることがあります。そうした古い常識によって、家族の誰か1人を犠牲にしたとしても、それは長続きしません。

こうした非難は、過去に自分が介護の犠牲になったことがある人から寄せられることもあります。「自分だって我慢したんだから、あなたも」というロジックなのでしょう。しかし、今と昔とでは、社会的な事情も異なるわけです。

同様にして「おまえのところの奥さんは専業主婦なのだから、彼女に介護をやらせろ」という兄弟姉妹からのプレッシャーがあったとしても、安易にそれに乗るべきではありません。乗るとしても、その場合は、親の遺産の配分をしっかりとしてからにしましょう。

とにかく、親族の中の誰か1人を介護の「犠牲」にすることはできないと知るべきです。きちんと負担を分担する必要があります。介護の負担には(1)身体的負担(2)経済的負担(3)精神的負担の3つがあります。それぞれを、親族の中で分け合わないと、あとで大変なことになるでしょう。

介護を理由とした熟年離婚の結果は

チーム力というのは、1+1=2ということでなくて、1+1=3とか4とかになることです。家族がチームであったことを、それを失ってから気づくのは、辛いものだと思います。チームでこなせば介護の負担も上手に分散できます。

昔から「一人口は食えぬが二人口は食える」と言いますが、これは事実です。1人ではこなせない負担も、複数人であればこなせたりします。皆で負担を分け合えば、そのチームの関係性もよくなります。

後になってから、旦那が別れた妻に対して送る未練がましいメールのことを、ネットスラングで特に「ロミオメール」と言います。こうしたメールで、関係の修復ができるケースは稀だからこそ、揶揄されているわけです。「ロミオメール」は、よくネットでさらされて嘲笑されています。

悲しいことですが、男性が考える「まだ大丈夫」というラインと、女性が考えるそれには、大きな隔たりがあります。このラインがどこにあるのかを熟知しようとするよりも、そもそも家族の中の1人を「犠牲」にするようなことがなければよいわけです。
 

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