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優秀なヘルパー(訪問介護員)の条件;コンピテンシー【簡易チェックリスト付き】

ヘルパー(訪問介護員)

ヘルパー(訪問介護員)とは?

介護のプロの世界において「現場の主役」と言われるのがヘルパー(訪問介護員)です。ヘルパーは、要介護者の心身の状態を、時には家族以上に正確に把握した上で、介護を行っています。

ヘルパーになる人の多くは、要介護者に喜んでもらえることをモチベーションの源泉としています。激務とも言える介護の現場から逃げずに、一般人以上の倫理観と責任感を持っている善意の人々でもあります。

非常に重要な仕事を担っているからこそ、介護がうまくいくかどうかは、ヘルパーの能力に大きく依存しています。身も蓋もない言い方をすれば、ヘルパーが優秀だと、介護が楽になるのです。

優秀なヘルパーの定義(コンピテンシー)がある

日本ホームヘルパー協会が(1)ヘルパーの自己研鑽(2)管理者によるヘルパーの教育・評価(3)経験の浅いヘルパーに対する成長の方向性を明示(4)ヘルパーが自らの業務の難易度を理解し仕事に誇りをもつ(5)事例研究を行う際の共通言語、という5つの目的のために、優秀なヘルパーに求められる能力を明らかにしています。

これは、専門的には「コンピテンシー」と呼ばれるものです。「コンピテンシー」とは、優秀な人材が共通してみせる行動・思考の特徴のことを指す言葉です。人事(人的資源管理論)の世界では広く用いられている考え方で、多くの組織における人事制度の基礎となっています。

ヘルパーに関する「コンピテンシー」とは、すなわち、達人レベルのヘルパーが共通してみせる行動・思考の特徴です。これを知っておけば、要介護者の家族である介護者としても、自分のところに配置されているヘルパーの優劣を判断することができます。もちろん、これだけで完全にヘルパーを評価できるわけではありません。それに完璧な人間などいません。

とはいえ、これはほとんどそのまま、要介護者の家族である介護者(介護をする自分自身)の評価にも使えます。ヘルパーに文句を言うために使うのではなくて、ともに優れた介護を行うためにこそ参照したいものです。

しつこいですが、くれぐれも注意したいのは、ヘルパーも含めて、介護のプロは、お手伝いさんや奴隷ではありません。感謝の気持ちをなくしてしまえば、いかに優秀なヘルパーでも、助けてくれなくなります。

優秀なヘルパー(または介護者自身)のコンピテンシー

以下のコンピテンシーは、日本ホームペルハー協会の資料をベースとして、KAIGO LAB編集部が、簡易版として修正・追記したものです。より正確には、原典(pdf)を当たってください。

自己管理能力
(1)自分自身の健康・ストレスを管理でき、特に腰痛にならない
(2)自分と相手の感染症の予防と早期発見、拡大防止ができる

向上志向能力
(3)自己の専門性を高めるための努力を継続できる
(4)日々の実践の中で自己の専門性を高められる

倫理観・責任遂行能力
(5)プライバシーを守り、尊厳ある自立を支えることができる
(6)苦しい環境にあっても逃げない・ひるまない

自己洞察能力
(7)自己の感情をコントロールし、相手の気持ちに寄り添うことができる
(8)相手からの信頼を得るため、自らの印象を意識しコントロールできる

制度理解・説明能力
(9)介護制度を、その背景も含めて主体的・能動的に理解している
(10)介護制度を、その背景も含めて、わかりやすく説明できる

介護技術能力
(11)確かな知識と根拠に基づく介護技術によってケアを提供できる
(12)想定外の状況でも、臨機応変に対応できる

接客・コミュニケーション能力
(13)相手に合わせて、適切な距離感を意識・調節できる
(14)相手の自立へのモチベーションをひきだす目配り・気配りができる

情報収集・洞察能力
(15)情報を幅広く収集・分析・統合できる
(16)介護の専門家として課題や危機を察知・洞察できる

仮説構築能力
(17)将来の可能性を豊かにイメージすることができる
(18)課題解決の可能性をわかりやすく説明できる

モチベーション向上サポート能力
(19)体力・意欲低下のメカニズムを理解し、前向きな行動をひきだす
(20)ともに自立を目指す仲間(協力者)になれる

家族関係の構築・調整能力
(21)相手の家族との良好な人間関係を築くことができる
(22)自立に向けて、家族関係などを調整できる

チームワーク能力
(23)個人の勝手な思いで行動せずに、組織内でチームワークが取れる
(24)チーム内での円滑な情報共有(報告・連絡・相談)ができる

他職種との連携能力
(25)ケアマネ、医師、看護師などの他職種と上手に連携できる
(26)組織を超えた人々とチームを組み、介護全体としての品質を考える

リーダーシップ
(27)介護の質の向上に向けて、中心的な役割が取れる
(28)後輩などの人材育成に意欲をもち、成果を出せる

※参考文献
・日本ホームヘルパー協会, 『訪問介護員のコンピテンシーモデル報告書』, 平成22年3月

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