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横浜市資源循環局のホームページに、チャットボットの「イーオ」が設置されています(リンク先で上の赤枠で囲われているところをクリック)。横浜市資源循環局とNTTドコモが開発したもので、捨てたいゴミを入力すると、そのゴミの正しい分別について教えてくれるという単純なものです。
単純なものなのですが、なかなかの優れものです。例えば「リハビリパンツ」という言葉を知らない前提で、代わりに「介護用おむつ」と入力してみると、以下のような柔軟な回答をしてくれます。こうしたチャットボットが発展していけば、介護の文脈でも、様々な質問に回答してくれるようにもなるでしょう。
面白いので、さらに「便がついたままでもいいの?」と聞いてみると「その質問は良くわからないんだ」と回答されるので、まだまだ開発の余地はありそうです。「介護用エレベーター」といったものにも、正しい回答はもらえませんでした。とはいえ、こうした不完全なところは時間の問題で解決するでしょう。
「イーオ」は、あくまでもゴミ分別に特化されているチャットボットです。将来的には、介護に特化されているチャットボットも開発されていくべきでしょう。そのチャットボットの開発を厚生労働省が主導すれば、複雑な介護保険制度に対する批判も少なくなるはずです。
特に重要になりそうなのが、単語の「ゆらぎ」への対応です。たとえば「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」や「小規模多機能型居宅介護」といった、介護業界では知っていてあたりまえの単語は、一般人からすればまったく馴染みのないものです。
こうした単語を知らない人でも「24時間対応してくれるヘルパー」や「認知症も含めた幅広いケア」といった、それらしい入力をするだけで、正しい説明が受けられるようになることが大切です。その上で、そうした介護サービスが受けられる最寄りの介護事業者が紹介されたりすると、実用性が増していきます。
一般人向けだけでなく、介護のプロ向けのチャットボットにもまた、大きなニーズがありそうです。要介護者(利用者)の状況を説明すると適切なケアに関するアドバイスが受けられたりすれば、介護のプロの業務負担も大幅に減らせるようになるかもしれません。
こうしたチャットボットは、今後、どんどん増えていくでしょう。しかしユーザーからすれば、質問の内容に応じて、多数のチャットボットを使い分けるのは面倒です。最終的には、特に公的サービスについては、1つのチャットボットで対応してもらいたいところです。
少しずつではあっても、人工知能が、私たちの悩みに寄り添ってくれるようになってきています。こうした人工知能の開発速度が早まれば、人材不足に悩む介護業界の課題も改善されていくでしょう。ただ問題になるのは、人工知能の開発速度が、不足する人材の穴を埋めるのに間に合うかという部分です。
開発速度を早めるには、お金が必要です。しかし、国のお金の使い方には、かなりの問題があると言わざるを得ません。たとえば、低所得の高齢者に3万円を配るというひどいバラマキが行われたことは記憶に新しいです。そしてなんと、このバラマキには、諸経費として234億円が使われています。
それこそ、234億円ものお金があれば、介護向けのチャットボットの開発くらいは終わらせることができそうです。おそらくは、厚生労働省の内部でも、介護向け(ヘルスケア関連)のチャットボットの企画は存在しているはずです。なんとか、その開発を早めるために、そこに予算を計上してもらいたいものです。
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