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介護業界の人手不足は、もはや、危機的な状況にあります。これから、2025年問題が表面化し、さらに介護が必要な高齢者が増えることを考えると、焦りを通り越して絶望してしまいたくなります。そこで、ということで、介護業界は、多くの外国人労働者を受け入れようと体制を整えてきました。
最近のニュースでも、ベトナムから今後3年で1万人の介護職を受け入れるというものがありました。こうした動きには様々な懸念もあるものの、もはや背に腹は変えられないという空気ができてしまっています。
そうした中、移民の受け入れには消極的と言われてきた日本が、全体として、移民国家になりつつあるという報道がありました。介護業界だけでなく、日本全体という意味で、これは本当なのでしょうか。以下、JIJI.comの記事(2017年7月21日)より、一部引用します。
みずほ総合研究所は21日、日本の人口動態に関し、予想を超える外国人流入によって「既に移民国家と言っていい」状況にあり、「移民受け入れ拡大が長期的な人口対策の鍵である」とするリポートをまとめた。(中略)
リポートによると、日本に居住する外国人は約230万人で、総人口の約3%に達しており、東京都のほか愛知県や群馬県など工業集積の大きい地域で外国人比率が高まっている。日本の製造業の多くの部分が外国人労働に依存している現状も踏まえ、移民政策や外国人労働者の受け入れについて考えていく必要があるとしている。
イギリスのBrexitによっても明らかになったとおり、現代の世界は、移民の排斥に向かって動いています。そうした背景もあって、過去の日本における移民に対する厳しい姿勢は、近年になって(一部で)評価されはじめています。しかし、移民の排斥自体は正しいことではありません。
特に、今後、労働力が急速に減っていく日本においては、移民の受け入れは死活問題でもあります。介護業界や建設業界、外食業界では、すでに人材不足がかなりの程度顕在化しています。今後は、似たような状況が、他の業界にも広がっていくでしょう。ここの穴を埋めるのが移民なのです。
世界で起こってしまっている移民排斥の流れから学び、移民を受け入れながらも同じ間違いはしないように注意したいところです。しかし、先にも述べたとおり、介護業界における移民の受け入れは、ただただ早急であり、対策という意味ではザルといってよい状況です。
後出しジャンケンなのにわざわざ負けてしまうようなことのないよう、今からでもしっかりと学んで、他国の教訓を活かしていかないとなりません。ただ、そのための時間が残されているかどうか、なんとも不安な気持ちになります。
※参考文献
・JIJI.com, 『「日本は既に移民国家」=受け入れ拡大、人口対策のカギに-みずほ総研』, 2017年7月21日
・高田 創, 『東京の外国人住民比率約4%、日本は既に移民国家』, みずほ総合研究所, リサーチTODAY, 2017年7月21日
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