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子育てと介護に同時に直面する「ダブルケア」について知ろう

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「ダブルケア」という言葉を聞いたことがありますか?

「ダブルケア」は、横浜国立大学の相馬直子准教授と英ブリストル大学の山下順子講師が作った言葉です。ある人が、親や祖父母の介護と、子育てに同時に関わる状態を指しています。

晩婚化の影響による高齢出産の影響もあり、自身が子育てで忙しい時期に、親や祖父母の介護が重なってしまうケースが増えているのです。NHKのテレビ番組(2014年5月16日放送)では、この「ダブルケア」ついて紹介しています。以下、放送のダイジェストから引用します。

結婚の年齢が遅くなる晩婚化が進んでいますが、この影響で、結婚してすぐに親の介護が必要になる人が多くなっています。ちょうどそのころ、子育てに忙しい時期とも重なります。こういった、子育てと介護を同時にしなければならない状態を「ダブルケア」といいます。この「ダブルケア」。特に共働きの家庭では母親に大きな負担がかかっています。(中略)

「私たちの調査からは現在、過去、数年先にダブルケアに直面する方たちが、約4割いることが見えてきて、これから晩婚化、晩産化、高齢化が進むなかで、ますますダブルケア人口は増えていくことが予測されます」と相馬准教授は指摘しています。

女性の社会進出と言うけれど・・・

結局、子育てと介護に関わるのが女性ということになれば、そもそも国が掲げる「女性の社会進出」というのは何なのか、問いただしたくなります。

こうした社会問題の研究結果として出てくるのは、決まって「地域社会での支え合い」という耳障りのよい言葉です。それは理想ですが、個別の希望は「今すぐ、楽にしてもらいたい」ということであり、効果的な支援を「今すぐ」受けることです。

具体的には、ケアマネが、子育ても含めたケアプランの作成ができるようになったり、ヘルパーが子守までカバーできるような、そうした政策レベルでの転換が求められています。(1)女性の社会進出(2)子育て(3)介護、という3つの問題は、それぞれが独立しているのではなく、重なり合っている問題なのです。

まだまだ社会の理解が十分に得られていると言えない「ダブルケア」ですが、地域で少しずつ実態調査や対話イベントが始まっています。「ダブルケア」に直面している方は、情報収集から始めてください。
 

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