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介護業界でヘルパーとして働いている人は「このまま仕事を続けていて、大丈夫だろうか・・・」と不安になることもあると思います。実際に、介護業界の報酬は良くないです。その理由は、介護事業の経営が苦しく、人件費を十分に出せないからです。
この状態を打開する方法としては、介護事業がもっと儲かるようにするというのが王道ではあります。しかし、それが難しいとなると、どうなるのでしょう?さらに安い賃金でも働いてくれる外国人を入れるか、または、人件費のかからないロボットに介護をさせるという方向が議論されることになります。
さらに安い賃金でも働いてくれる外国人・・・たしかに、コンビニなどではよく見るようになりました。実際に、介護業界にも、増えてきていますね。ですがこれ、いつまで続くのでしょう?アジア各国の物価はどんどん上がっています。日本まで来なくても、そもそも母国の賃金が上がっているのです。
安い賃金で働いてくれる外国人なんて、すぐにいなくなります(逆にいうと、引く手あまたで取り合いになります)。では、ロボットが来るのかというと、そこはどうなのでしょう?
将来的には「ロボットが介護をすることになる」という話が、よくありますよね。だから、現場で日々学んでいる介護ノウハウも、いずれは役に立たなくなるという人もいます。ですが、実際はロボットの専門家に言わせれば「そんなことはない」という意見を多数聞きます。
実は、人間というのは、奇跡的なくらいの筋肉制御とバランス感覚を持っています。自分の体重に近いものも、上手に移動させられたりもします。こうした動作は、実はロボットには非常に難しいのです。
ロボットは、プログラミング言語という「言葉」で動作を行っています。たとえば、人間にとって簡単な「二足歩行」を、あなたは「言葉」で表現できますか?右足を動かして?動かすとは、どういうことですか?どこの筋肉に力を入れて、どのように関節をしならせますか?そのときバランスをとって?バランスとは?・・・とてもとても難しいです。
50年後はわかりませんが、しばらくは、ロボットが介護の仕事の全てを行うことはないでしょう。ロボットは、しかし、経理業務や管理分析業務というのは得意です。人工知能と呼ばれるものは、そうした仕事を奪っていくでしょう。ですが、特定の動作を超えて、複雑な環境に合わせて身体の使いかたを変える仕事というのは、ロボットはとても苦手なのです。
では、ロボットは介護の現場にやってこないのかというと、それも違います。ヘルパーの動作を助ける補助装置(力のないヘルパーでも重たい要介護者を持ち上げられるものなど)は、近い未来に実用化されるでしょう。
また、力仕事は単独では任せられないロボットも、見守りやコミュニケーションといった情緒的なところでは、かなり戦力になります。これは、KAIGO LABでも過去に記事にしています。これによって、夜勤が少し楽になったりもするでしょう。
勝手に動いて、勝手に仕事をしてくれるようなロボットは、当分は出てきません。逆に、そうしたロボットができたときは、ヘルパーに限らず、介護業界以外でも、ほとんど全ての仕事がロボットに奪われるでしょう。
そう考えると、介護現場におけるロボットとは、基本的に、ヘルパーのヘルパー(ヘルパーの補助をしてくれるもの)であって、主たる介護者やヘルパーそのものには(しばらくは)なり得ないのです。そうした意味で、介護現場における主役は、まだまだヘルパーです。
ということは、ヘルパーの賃金は、これから少しずつではあっても、上がっていくはずです。経済原理が働くなら、の話ですが・・・。
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