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日本人は、歯医者というのは「痛くなってから行くもの」と考える傾向があるようです。そして不思議なことに、病院は高齢者になるとよく行く場所になるのに、歯科医院は高齢者になるにつれ足が遠のくのだとか。
さらに、なぜか高齢者は、若者に比べて口の中のケアをおろそかにすることが多いようです。面倒なのかもしれませんが、それが死亡原因にもなる可能性があります。
口の中の衛生状態を保つことは、健康維持と増進につながります。具体的には、各種感染症のリスクを下げ、肺炎や発熱などを起こしにくくなります。
さらに、ケアを進めることで、食べ物を飲み込みやすくなり「誤嚥(ごえん;食べ物や唾液などが気管・気管支に入ること)」を防いだりすることにもつながります。
「誤嚥」がひどくなると「誤嚥性肺炎」に発展します。これは、細菌が唾液とともに肺に流れ込むことで生じる肺炎です。実は、高齢者の肺炎の70%以上が「誤嚥」に関係しているそうです。
食べ物を飲み込む力が衰えると「誤嚥」が起こります。それにより発生する「誤嚥性肺炎」は、再発を繰り返しやすいものです。そのための治療も、回数が上がってくると「耐性菌」が生まれてしまいます。すると、抗菌薬治療がきかなくなり、死亡原因にもなってしまうそうです。
http://www.dent.niigata-u.ac.jp/oral-care/oral-care.pdf(pdf)
新潟大学歯学部が、高齢者(要介護者)の口腔ケアのための簡易マニュアル(全18ページ)を無料公開してくれています。介護関係のプロ向けではあるものの、非常にわかりやすくできていて、素人でも勉強になります。
先の新潟大学によるマニュアル(p18)を参考にして、以下、簡易チェックリストを作成してみました。このどれかに該当するときは、ケアマネ、歯科医師や歯科衛生士に相談してみましょう。
(1)歯の付け根が黒くなっている、虫歯がある
(2)歯茎が赤くはれている、出血がある
(3)口臭がひどい
(4)入れ歯がパカパカ動いている
(5)ベロに白いコケのようなものがある
(6)最近、発熱することが増えた
(7)食べるのが急に遅くなった、むせる
特に症状が見られなくても、近くで歯科医師や歯科衛生士による指導会などがあれば、それを受けてみることをオススメします。特に発熱がよくある場合は、医師への相談もしましょう。
※参考文献
・一般社団法人日本呼吸器学会, 『誤嚥性肺炎』, A-11, 感染性呼吸器疾患
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