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厚生労働省は、毎年、敬老の日にちなみ、9月の第3月曜日前後に、国内の100歳以上になる高齢者を表彰しています。長年にわたる日本社会への貢献に対して、内閣総理大臣からのお祝い状と記念品(銀盃)が贈られるイベントです。
高齢化を続けている日本ですから、100歳以上の人の人口も増え続けています。2016年の住民基本台帳ベースでは、65,692人が100歳を超えています。うち、女性は57,525人で、100歳以上の人口全体の約88%を占めています。
100歳以上の人口が1,000人を突破したのは、1981年のことでした。10,000人を突破したのは、1998年でした。それから約20年で、100歳以上の人口は約7倍にまで増えています。これはこれで嬉しいニュースですが、長寿国ならではの困難も、今後増えていくことでしょう。
年齢別の要介護者の出現率を示す統計があります。それによれば、85歳以上の高齢者の60%以上が要介護者という事実が浮かび上がってきます。100歳を超える場合の数字までは把握できていないものの、それが60%以上であるところまでは確実です。
75歳以上の高齢者のことを、特に後期高齢者と言います。要介護者の出現率は、後期高齢者の入り口である75〜79歳では14.0%なのですが、80〜84歳では29.9%になります。そして85歳以上だと60.3%にもなるのです。それぞれの段階で倍に増えていますので、90歳以上となると、かなりの数字になるでしょう。
高齢者も、こうした事実を肌で感じており、不安に思っていることのアンケート上位には、介護およびその費用に関することが入ってきます。長生きすることは、本来は喜ばしいことなのですが、それがかえって不安をあおってしまっているとするなら、なんとも悲しいことです。
たとえば、メガネをかけている人のことを、要介護者だとは思わないでしょう。ちょっとした近眼を超えて、メガネがなけれが生活ができない人というのは、メガネに感謝する毎日のはずです。
もし仮に、メガネがなければ、どうでしょうか。おそらくは、介助者がついていないと生活ができないはずです。メガネというテクノロジーが、目が悪い人に対して自立した生活を提供しているのです。メガネが発明されていなければ、こうした人も、要介護者に認定されていたことでしょう。
これと同じように、テクノロジーは、人々の自立を支え、要介護者の数を減らしていくという方向性を持っています。100歳以上の高齢者がどんどん増えて行く日本こそ、高齢者の自立を支える新しいテクノロジーにおいて世界のリーダーシップをとっていきたいものです。
※参考文献
・厚生労働省老健局, 『百歳の高齢者へのお祝い状及び記念品の贈呈について』, 2016年9月13日
・厚生労働省, 『介護給付費実態調査月報(平成27年7月審査分)』, 平成27年11月18日
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