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認知症予防にもなる;LINEやFacebook(SNS)の活用(スマートプラチナ社会構想)

SNS

LINEやFacebookだっていい!

被介護者が根源的に望んでいるのは、愛する人とのコミュニケーションです。特に介護者と離れて暮らす高齢の被介護者は、少なからず「寂しい」と感じながら、日々を送っています。

現代はITの時代です。離れて暮らす被介護者が少しでも「寂しい気持ち」にならないようにと、LINEやFacebookといったIT(SNS)で、コミュニケーションを取っている介護者もいます。この効果は、多くの介護者が考えている以上に絶大です。

写真や動画も送ってあげるようにすれば、なお良いでしょう。被介護者が、こうしたITを使いこなせないというのは幻想です。きちんと教えてあげれば、iPadでSNS使うくらいのことは、誰にでもできるものです。実際に、過去1年間にインターネットを使用した高齢者は、39.8%にも登ります(2011年データ)。

「寂しさ」は、万病のもとです。医学的にも、「寂しさ」が心身の健康を蝕むといった報告は多くあります。介護者が、被介護者と日々コミュニケーションを取っていれば、結果として、被介護者が必要とする介護の度合いもあまり悪化することがないはずです(もちろん、そうでないケースもありますが)。

コミュニケーションは認知症予防にもなる

介護が必要になる原因の15.8%は、認知症です(平成25年国民生活基礎調査の結果)。この認知症の予防として、豊かな人間関係や、活発なコミュニケーションが有効であることがわかっています。ですから、そもそも介護が必要になってしまうのは、コミュニケーション不足が本当の原因である可能性があるわけです。

親や配偶者に、死の直前まで、健康で元気でいてもらえることほど、ありがたいことはないはずです。また、仮に介護が必要となっても、状態が悪化していくのではなくて、状態を維持したり、改善していってもらえたら、介護の負担は軽くなります。

政府が狙っていること;スマートプラチナ社会構想

政府は、高齢者のITリテラシーを高め、そこから様々な社会参加をしてもらうことを狙っています(=スマートプラチナ社会構想)。高齢者が生きがいと感じる活動に関しては「友人・コミュニティ交流=35.0%」「就労=11.0%」というデータがあります。

高齢者ITリテラシーの向上は、高齢者のボランティア活動参加や就労を刺激します。結果として、社会全体での価値の創出につながると同時に、高齢者の健康にもつながります。すると、どんどんふくらむ介護保険の予算も抑制できますし、高齢者もハッピーになります。さらに、他国に先駆けて高齢者の活用に関するノウハウが蓄積できます。

全国各地で、政府・自治体主導による高齢者のITリテラシー向上のための講習会が開かれています。この背景には、スマートプラチナ社会構想があります。被介護者にも、こうした講習会に参加してもらい、ITリテラシーを高め、より豊かなコミュニケーションを楽しんでもらえるようにしたいものですね。

※参考文献
・総務省資料, 『スマートプラチナ社会推進会議報告書概要』, 平成26年7月
 

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