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低所得の高齢者に、給付金3万円が配られますが・・・

所得が低い高齢者に「臨時福祉給付金」3万円

所得が低い高齢者に「臨時福祉給付金」3万円が配られます

65歳以上で、住民税が課税されていない低所得の高齢者(約1,130万人)に対して、3万円が配られます。今年の6月までに配り終える予定となっており、自治体の担当者などは、いままさに、大忙しのことと思います。

この給付金ですが、なんとも疑問のあるものに仕上がっています。なによりもまず、この3万円を高齢者に配るために、諸経費として 234億円 が使われるのは、どうなのでしょうか。この 234億円は、低所得の高齢者にではなくて、少数の企業に対して支払われます。

他に、使うべきところはないのでしょうか。これにありつける少数の企業にとっては嬉しいことでしょう。ただ、この諸経費の使われ方で、特に気になるのは、メディア広報(テレビスポット、ラジオ広告、新聞広告、インターネット広告)の費用です。

どうしてCMが必要になるのか、意味がわかりません。百歩譲って、CMが必要だとしましょう。ですがこれは、メディアに対して政権がお金を流すことで、メディアが政権に対して批判的になりにくいということはないのでしょうか。なお、この諸経費 234億円を「問題」として報道している新聞は(ほとんど)ありません。

こうした無駄が積み上がっていき、医療・介護は崩壊していく

低所得の高齢者に認定されるのは、公的年金受給者の3割以上です。それだけ、お金に困っている高齢者がいるということなのでしょう。現在、非正規で働いている人は、労働者の4割にもなっています。こうした人にも、将来は、給付金が与えられるのですよね。その財源はあるのですよね。

悲しいのは、こうして消えていくお金がある一方で、本当に助けが必要な人が、今、この瞬間にもたくさんいるということです。諸経費として消える 234億円があれば、本当に意味のあることが、たくさんやれます。

仮に、日本の貧困を考えるなら、女性に対する手当が必要です。そもそも、日本は、女性であるというだけで、収入が低くなってしまう男尊女卑の社会です。ですから、独居の高齢女性や、母子家庭における貧困は、本当に深刻です。

234億円の諸経費。いまから、その使い道について、文句を言ったところで、このお金の流れる先とは、話がついていることです。ですから、234億円は、もう帰ってきません。ただ、私たちは、こうして政権が無駄に使ったお金のことは決して忘れません。

日本国を愛する国民としては、政権の評価を、この1件だけで行おうとは思いません。現政権は、日本では珍しい長期政権です。ただ、こうした 234億円にもなる無駄は、選挙においてマイナスになるということだけは示していきたいと思います。さもないと、今後もこうした無駄が続いてしまうからです。

さて。政権は、総理大臣官邸にて行われた一億総活躍国民会議(2016年2月29日)において、介護職の待遇改善について約束しています。この実現は大丈夫という試算の上で、234億円が少数の企業に対して支払われるものと、かたく信じております。

※参考文献
・朝日新聞, 『高齢者3万円給付金、6月までに配る方針 厚労相が表明』, 2016年1月15日
・毎日新聞, 『給付金3万円 矛盾している政府説明』, 2016年1月13日
・厚生労働省(援護局), 『Ⅱ 給付金関係』, 2016年1月1日

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