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マーケティングの実践【KAIGO LAB SCHOOL 第7回授業】

マーケティングの学習風景

KAIGO LAB SCHOOL は、介護業界で働く若手人材向けのビジネス・スクールです(授業料無料)。理念は「日々の業務課題を高いレベルで解決し、その解決策を介護業界全体に広め、もって介護業界の発展に大きく寄与する人材を輩出する」です。今回は、前回の『マーケティング(1)』を前提として行われた『マーケティング(2)』の様子を報告します。

マーケティング実務の分解

簡単に言えば、マーケティングとは、売れる仕組みをつくることです。その仕組みは(1)顧客を連れてくる(2)顧客を買いたい気持ちにさせる、という2段階のステップでできています。このステップがしっかりと出来ていれば、顧客に対して「買ってください」という営業をする必要がなくなります。

(1)の連れてくるステップは、ATL(above the line)とも言われる、広く商品を認知してもらうための施策でできています。これに対して(2)の買いたい気持ちにさせるステップは、BTL(below the line)とも言われる、現場の販売施策という形をとっています。

また、顧客が商品の購入に至る一連のプロセスは、AIDMA(アイドマ)と呼ばれる5つのステップに分解可能です。これらは、Attention(注目→認知度向上)、Interest(興味→魅力発信)、Desire(欲求→ニーズ喚起)、Memory(記憶→繰り返し)、Action(購買→機会提供)です。

商品が売れないということは、これら5つのステップのどこかがボトルネック(隘路)になっているということです。ですから、マーケティングの実務を分解すると、ATLとBTLを組み合わせて、このAIDMAのボトルネックを克服していくというものになります。

近代では、インターネットの登場によって、AIDMAだけでなく、AISASという5つのステップも考慮する必要が出てきました。こちらは、Attention(注目→認知度向上)、Interest(興味→魅力発信)、Search(検索→検索順位向上・リスティング)、Action(購買→機会提供)、Share(シェア→話題性提供)です。

しっかりとしたマーケティングが出来ている組織の場合、AIDMAとAISASの各ステップの現状が数値により測定できており、弱点が明白になっています。マーケティング担当者は、日々明確になる弱点に対して、予算とにらめっこをしつつ、効果的な改善を、ATLとBTLの施策として形にしているのです。

マーケティングのSTP

みんなが少しだけ好きな商品というのは、売れません。特定の人が、大いに好む商品だけが売れて行きます。このとき「特定の人とは誰なのか?」という問いを立てることは、マーケティングにとって非常に重要になります。

まず、商品を大いに好んでくれそうな特定のセグメント(Segment)を明らかにします。次に、そのセグメントに当てはまる人々に対して大きな影響力を持ったボーリングの1番ピンと言えるような人々を特定し、ターゲット(Target)とします。そして、その人々の心に響くように商品を位置づけ、ポジション(Position)を取ります。

このプロセスは、セグメント、ターゲット、ポジションの頭文字をとって、STPと呼ばれます。STPが明確でないまま、ATLやBTLを打つと、恐ろしい無駄を生み出すことになるので、STPは、ATLとBTLを決めてしまう前に、しっかりと考えておくべきなのです。

STPの分析は、商品の設計時に行うことはもちろんです。誰に、大いに好んでもらうのかがわからないと、商品の仕様が決められないからです。同時に、STPは、現時点で自社の商品を買ってくれている顧客を分析するときにも、大きな成果を上げてくれます。

自社の商品を買ってくれている顧客には、設計時に想定していない顧客が必ず含まれているものです。これは、設計時には意図していないセグメントにいる人々にも、その商品は大いに好まれているということです。であれば、その理由を理解し、そのセグメントにおけるターゲットを新たに見つけ出せば、商品はさらに売れるという理屈です。

商品の値決めに関する考察

商品の価格は、マーケティングにおいて非常に重要な要素です。しかし、少なからぬ企業において、商品の価格決定は、かなりいい加減に行われていることが知られています。「だいたい、これくらいの価格だろう」という程度のことをしている企業が多数なのです。

価格を高くすると、購入者が減るというのは、間違いです。また、価格を安くすれば、シェアが取れるというのも間違いです。もちろん、そうしたケースがあるのは事実なのですが、それは、いわゆるコモディティーと呼ばれる、どこの企業でも簡単に作れる商品の場合に限られてきます。

こうしたことは、多くの実例をともなって証明されているのですが、残念ながら、少なからぬ企業が、シェアを獲得するために価格を安くするという間違いを繰り返しています。結果として利益が失われ、倒産や廃業という方向に向かってしまうのです。

講義では、その商品の相場を決める品質価格線について、高価格市場に参入するときのブランド管理について、そして、少しでも高い価格で商品を購入してもらうための差別化戦略の基本について、説明がなされました。

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