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私には、利用者のためになる組織をつくる責任がある【KAIGO LAB SCHOOL】

私には、利用者のためになる組織をつくる責任がある

以下は、KAIGO LAB SCHOOL(介護業界の若手人材向け・無料のビジネス・スクール)に提出された課題レポートの1つです。介護業界の刺激として、また、KAIGO LAB SCHOOL の活動報告として、ここに掲載します。なお、職場の特定ができないように、内容には一部事実とは異なるものが含まれています。また、本文についても、KAIGO LAB 編集部が編集を入れています。

『現在の職場の学習と成長』(1期生Mさん/20代マネージャー)

学習とは、人や組織が、様々な経験をとおして、自らの行動の基準や、行動の前提となる「理論」を変更したり修正したりすることである。企業の成長には、人の成長が不可欠であり、それが生産性の向上につながる。このため、上司としては、部下の成長を意図して、的確な指示や関与をしていく必要がある。

私の勤める有料老人ホームには、正社員(常勤)3名・パート(非常勤)20名の計23名のスタッフが勤務している。それぞれ、働く日数や時間帯は異なり、入社した時期も異なる。施設の理念を実現するために、上司(施設長)としての私の責任は大きい。私は、しっかりと学習理論を学び、それを実践していく必要がある。

分析1:Will Skill Matrix

まず、講義で教わった「Will Skill Matrix」を用い、施設のスタッフ(22名)をプロットしてみた(図1)。ここでは、日勤者と夜勤者・勤務日数との相関関係を考慮している。また、プロットはあくまでも主観的なものであり、今後はより客観的な評価方法を考えていきたい。

Will Skill Matrix

このプロットによって、すぐに観察できたのが、出勤日数が少ない部下と夜勤の部下に、課題が多いということである。逆に、日勤であり、かつ勤務日数の多い部下は、総じて満足のいくレベルにある。

分析2:学習者の分類

次に、図1を用い、それぞれのスタッフに学習者の分類を定めることとした(図2)。ここで、積極的学習者とは、自らすすんで学習し、指導者の関与や指示が少なくとも、成長していくことの出来る人材である。消極的学習者とは、機会があれば学習するのだが、すすんで学習しようとしない人材のことである。また、学習拒否者とは、学習することを拒否する人材のことだ。

学習者の分類

以上の簡単な考察から、上司としての自分自身の仕事ぶりを振り返って、整理してみる。なお、振り返りは、経験学習論の中でも非常に大きな意味のある行為とされる。このレポート課題を通して、私自身、過去にこうした振り返りが足りていないことを自覚した。

(1)上司との関与・指示の時間的不足がやる気・スキル不足に繋がっている可能性がある。
(2)スキルもやる気も高い部下は伸びるので、上司としては、そうしたスタッフとの関わりが楽しい。しかし、それが結果として、なんらかの課題を抱えている部下との接触を少なくさせており、バランス上の問題を生み出している可能性がある。
(3)一般的な割合(1:6:3)からすれば妥当かもしれないが、現在の職場には消極的学習者が多い。消極的学習者には学習の機会を与えることが上司の責任であるが、まったくやれていない。

今回の講義と課題レポートから私が学んだこと

この振り返りを通した課題の整理から、上司である私として、行動を変化させないとならない。なお、行動を変化させることは、学習の定義である。振り返りのプロセスがなければ、学習が起こりにくいということも、このレポート課題から自覚することができた。

Action 1. 出勤日数の少ない部下と夜勤の部下への関与・指示の時間を増やす

それぞれ、やる気はあるがスキルがない人、スキルはあるがやる気がない人など、人材の状況によって、私は対応を変えないとならない。その中身が大事ではあるが、まずは、それぞれに対応する時間の割合を、よく考えて行動する。こうした行動によって、それぞれの部下がどのように変化するかを観察し、その結果を受けてまた、対応の中身はもちろん、対応する時間の割合を変化させていく(PDCA)。

Action 2. 消極的学習者に対して、意図的に学びの機会を与える

現職には、研修の機会はほとんどない。現状は、休息室に介護の本が置かれている程度であり、消極的学習者にとっての学習環境は皆無に等しい。今後は、やや強制になっても、研修などの学習機会を増やしていく。また、仕事の難易度を調整することで、ギリギリ、勉強すればなんとかこなせる仕事を割り振ることで、学習環境をデザインしていきたい。

Action 3. 動機付け(モチベーション)について学ぶ

これまで、私は、優れた仕事をするためには、人間のモチベーションが大事であることは理解しているつもりだった。しかし実際には、私は、人間のモチベーションがどのように上下するのか、まったく勉強してこなかった。上司になる人材に対して、こうしたことを教える研修が必要であることは今後の課題としつつ、私は、それが整備されるのを待つのではなく、自分で勉強をしていかないとならない。

最後に

これまでは、利用者のためになる人材になろうと頑張ってきた。しかし、私は、小さいながらも組織のトップである。組織のトップであるからには、利用者のためになる人材では不十分である。私には、利用者のためになる組織をつくる責任がある。

そうした視点から振り返ってみたとき、私は、組織をつくることについて、勉強が足りていないことを自覚した。今回の課題レポートでは、この自分自身の現在地について振り返ることができた。これからは、あるべき姿を設定し、現在地とのギャップを埋めていきたい。

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