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【読者投稿7】今は、要介護2です。私は誰を「ケア」してきたのだろうと思いました。

読者投稿

はじめまして。私は、今年でちょうど70歳になります。定年後に脳梗塞をやり、体の半分が麻痺し、車イス生活となりました。

今は、要介護2です。退院直後は要介護4だったのですが、ここまで回復しました。弟が医者で、入院中からリハビリのことなどを家内によくよく伝えてくれていたので、よかったのだと思います。

インターネットも、リハビリも兼ねて、弟から教えてもらいました。会社では、eメールくらいしか使っていませんでしたので、抵抗もありましたが、なんとか楽しめるところまで覚えられました。

うちには子供がありませんので、家内には迷惑をかけています。いつも世話になってばかりで、暗い気持ちになります。はじめはリハビリのつもりだったものの、今では、インターネットは勉強と気分転換に使っています。

家内の介護を少しでも楽にしたいと思い、介護についても調べるようになりました。今では、家内よりも、介護制度についての知識はあります。私のほうが時間があるので、当然といえば当然ですが。

介護について調べているとき、グーグル検索で、こちらのサイトにたどり着きました。短いニュースのような介護情報を流しているウェブサイトが多い中で、読み応えがあって、考えるきっかけになるので、気に入っています。家内にも読ませています。

「そのとおり!」と思うこともあれば「そうかな?」と反発することもあります。こちらの記事は、親の介護をする子供という視点で書かれているので、反発の気持ちも大きくなるのかもしれません。子供がいないからかもしれません。ただ、こうして感情が動くことを楽しく思います。ありがとうございます。

そういえば、私は、自分の親の介護をしておりません。私の義理の妹が、私の親の介護をしていたと記憶しております。当時は、それを当たり前のことと思っていましたが、こうして自分が介護される身になってみると、申し訳ない気持ちになりました。

義理の妹はもちろん、まだ立派に仕事をしている弟にも、頭があがりません。家内にも、自分がこんな体になってしまったことを申し訳なく思います。それでもまだ生きている自分のことが情けなく、私のサラリーマン生活はなんだったのかと考えてしまいます。

サラリーマン生活をしているときは、それなりに頑張れていました。今でも、自分が勤め上げた会社の広告をみると、嬉しい気持ちになります。ただ、それはどうにも夢のようです。本当にそれが自分の過去なのか、夢なのか、はっきりしないのです。もちろん、夢ではないことはわかっているのですが。

新しい生活を、定年後の第二の人生を築くことが大事だと思ってはいます。ですが、楽しみにもしていた第二の人生は、要介護者としてのものになりました。自由がないわけではありません。ただ、体が不自由だと、どうしても気力がなくなり、疲れやすくもなります。

ヘルパーの方にも感謝はしていますが、やはり落ち着きません。自分の時間が壊されてしまうように思います。ただ、家内に休んでもらうためにも、ヘルパーの方を受け入れています。

若い頃に、格好をつけて、ハイデガーを読んだことはありました。ただ、読んだことがあるはずなのに『女神クーラの神話;人間とはケア(介護)をする存在である。』の記事にあるハイデガーによる神話 は、まったく記憶にありませんでした。

「人間は「ケア」を通して人間らしい存在になる」という言葉に、ハッとさせられました。私は誰を「ケア」してきただろうと思いました。いや、誰のことも「ケア」しない人生だったのだと反省します。

サラリーマン生活でも、自分の都合ばかりを優先したようにも思えます。家内に楽しい思いをさせてやれたか、弟夫婦になにかしてやれたか、同僚や後輩、大学の仲間に、なにかしてやれたか、心もとないです。時間が過ぎるのは、早いなあと思います。おせっかいですが、みなさんも、気をつけてください。ここまで、あっという間です。

こうして介護される身になったのは、自分のことばかり考えてきた罰のようにも思えます。今は、誰かのためになりたいという気持ちはあるものの、何かできるわけでもないのです。ですが、静かに死を待つというわけでもありません。死ぬことは、考えたいような、考えたくないような、不思議な気持ちです。

本当は、自分はまだ幼い子供で、明日もまた野山を駆け回るのかなと思うこともあります。ずっと故郷から離れていますが、それも不思議です。ただ、自分の手を見て、自分の歳を悟ります。歳をとって、体が不自由な状態にあるのが自分だということが、不思議です。死んだら、故郷に帰るのかなと思います。

クヨクヨしてもいますが、自分は幸せです。せめて、周囲に感謝の気持ちをもって、必要以上に迷惑をかけないように、本当に必要なこと以外は放っておいてもらえるようにありたいと思います。それが、私のできる弟夫婦と家内への「ケア」なのかもしれません。

私は、考えていたいのです。脳の中に遊ぶことで、楽しんでいたいと思います。ヘルパーの方には、なるべく外出するように言われますが、私は、テレビをみたり、こうしてインターネットをするだけで満足です。弟夫婦と家内のことを愛しています。ありがとうございます。

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