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ピースビレッジにて、KAIGO LAB 編集長が講演をしました(講演報告)

ピースビレッジ講演会

ピースビレッジとは?

ピースビレッジとは、NPO法人世界連邦21世紀フォーラムが主催している勉強会です。NPO法人世界連邦21世紀フォーラムの代表理事である木戸寛孝(きど・ひろたか)氏は、明治維新において活躍した桂小五郎(木戸孝允)の来孫(らいそん/ひ孫の孫)にあたる人物です。

NPO法人世界連邦21世紀フォーラムは、現代社会が直面している危機的な状況を生み出しているのは、私たち自身の「固定観念」であるという考え方に立っています。ですから、この危機を回避するために必要なのは、私たち自身の「固定観念」を変化させていくこと(学び)です。NPO法人世界連邦21世紀フォーラムは、これをリードしようとしています。

こうした、大きな社会変化を考える場において、KAIGO LAB編集長が『企業目線から、介護問題について考える』というタイトルで、講演を行いました(2016年3月13日)。日曜日だったにも関わらず、一般のビジネスパーソンのみならず、学者、介護職、医師など、40人程度の多様な方々にお集まりいただきました。

講演『企業目線から、介護問題について考える』の概要

講演は、介護問題を、社会変化を起こすためのチャンスとして考えることができるという提言からはじめられました。この背景とされたのは「心的外傷後成長(PTG:post-traumatic growth)」という考え方です。介護問題を通して、社会レベルでの学習を進められる可能性があるのです。

次に、介護問題をマクロな視点から考えるために、日本の介護保険制度がどうなっているのか、その財務面から考えました。特に賦課方式(ふかほうしき)という、現役世代が高齢者世代を支えるという仕組みについて、説明が行われました。そして、この仕組みは、少子高齢化社会では、必然的に破綻するという将来予測が行われました。

しかし、人間には「正常性バイアス(normalcy bias)」という認知心理学上の特徴が備わっています。これは、本当に異常な事態であっても「まだ、大丈夫」という具合に、状況を正常な範囲にあると誤認するというものです。現代の日本における介護問題にも、多くの人が「正常性バイアス」にとらわれています。現実には、もはや限界にあります。本気で、危機について考えるべきときが来ています。

こうした視点から、介護離職の社会的な意味を考え、それを回避しないとならないことが再確認されました。そして、日本における介護離職を減らすためには、企業による取り組みが必要であることも強調されました。ここについては、企業としても、介護離職をされると業績への負のインパクトがあるため、合理的な企業は、この方向に向かうという希望も語られています。

活発な質疑応答(30分程度)が行われました(その一部を紹介)

Q1:企業の役割として、どこまで張り出していけるか。個人の責任としての介護は、どこまで個人が担っていくべきか。この切り分けは難しいと思うが、なにか意見はないか。

A1:介護にあたるには(1)要介護者の介護度を上げないこと(2)介護に使えるリソースを増やすこと、の2つのアプローチを進めて行くしかない。ここで(1)については、運もあるわけで、できることは多くない。(2)のリソースにつていは、ヒト・モノ・カネ・情報がある。このうち、特に情報については、企業の役割として「介護教育」を進めることで、従業員に対して大きな貢献ができる。カネについても、一部、ホンダの事例ように福利厚生に介護手当を入れるところが増えてきている。

Q2:在宅勤務を含めた、柔軟な働き方ができる社会を築くことが大事ということ。それはわかるが、特に中小企業では、在宅勤務を推進することは困難。ここについては、どう思うか?

A2:もう少し時間はかかるが、インターネットがそれを可能にする。特にVRが実現すれば、私たちは、自宅にいながらにして、バーチャル空間のオフィスで仕事をすることができるようになる。これは夢物語ではなく、この実現が、企業にとって重い負担である地代家賃をゼロにする。地代家賃は、株主への配当金を圧迫するので、株主からも歓迎される。

Q3:日本の介護保険の財源がなくなるからこそ、大きな危機だからこそ、地域コミュニティーの力が問われていると思う。地域コミュニティーの可能性については、どう思うか?

A3:まず、介護にとって地域コミュニティーが重要であるという立場は同じ。その開発も、実際に、仕事として行っている。ただ、少しひいてみたとき、地域コミュニティーには「他者を受け入れない排他性」という負の面もある。本当の多様性を受け入れ、戦争のない世界を築くには、小さな地域コミュニティーを、その他の世界よりも重要だと考える人間のあり方そのものには、変革も必要。行き過ぎた地域コミュニティーは、歴史的にも、決して良い結果につながっていないケースもあり、注意が必要。

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