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高齢者も老後が心配?介護事業者の苦悩について理解しておきたい

高齢者も老後が心配?

介護サービスが「将来が心配だから」と断られる現実

高齢者にとって、お金は命綱です。少しでも無駄遣いしないようにと、節約しています。皮肉な話ですが、長生きすればするほどに、経済的に破綻するリスクが上がってしまうのです。これは、要介護者になった高齢者でも同じことです。

そうした背景から、本来であれば利用すべき介護サービスまでをも断る要介護者も少なくないそうです。介護事業者としては、売上が下がってしまうので困るという面も当然あります。同時に、必要な介護サービスを利用しないことで、要介護度が高まってしまうリスクが心配なのです。

もちろん、必要のない介護サービスを導入するのは良くないことです。しかし、介護サービスには、将来、もっとお金がかかってしまわないようにするための「投資」としての意味もあります。むしろこの「投資」のほうが、銀行の金利よりもずっとリターンが大きい可能性があります。

しかし、怪しい金融商品のパンフレットはいっぱい溜め込んでいるのに、介護サービスについては興味も示さない要介護者も多いそうです。なんとか、説得を試みますが、なかなかうまくいきません。

受け入れられないので、大きな「営業コスト」が発生してしまっている

こうした状況なので、介護事業者としては自分たちの介護サービスを受け入れてもらおうと必死です。実際には、ケアマネに受け入れてもらえないと、まずケアプランに入れてもらえないので、ケアマネに対して営業することが、介護業界の通例になってしまっています。

結果として、ケアマネに対しては、多くの介護事業者が営業に殺到してしまっています。ケアマネも、あまり営業に来られると仕事になりません。介護事業者としても、数ある介護サービスの中から、自分たちを選んでもらうために、説明資料を分厚くしたり、パンフレットを作ったりと、コストがかかっています。「どうやって、ケアマネに売り込むか」というノウハウを売りにしている会社も出てきているほどです。

これらは、すべて、要介護者に介護サービスを受け入れてもらうための「営業コスト」です。このコストが大きくなりすぎてしまうと、サービスの品質が下がったり、介護職の待遇改善ができなかったりと、様々な悪い影響が起こります。

本来は、医療や介護のように、利用者(顧客)が、サービス提供者の品質を正確に判断できない分野(情報の非対称性が大きすぎる分野)には、ビジネスの市場原理(競争原理)を導入するには向かないのです。ここには、国による介護制度の設計ミスがあるとしか思えません。

どうすればいいのか?私たちにできることはないのか?

介護サービスについての情報を、ケアマネ任せにしないことが、まず第一です。ネットで調べたり、家族会から情報を仕入れたり、または自治体の窓口地域包括支援センターなどでも相談することが大事です。

その上で、要介護者(親)には、必要な介護サービスは「投資」であることを伝え、フレイルにも注意していく必要があります。もちろん、必要のない介護サービスを購入することはありません。必要なもの、必要でないものの棚卸も大切です。

日本の社会福祉には「知らないと使えない」「知らないと損をする」「知っている人だけ助かる」という特徴があります。その中でも特に介護は複雑な世界です。そのすべてを自分で勉強することはできませんが、相談すれば教えてもらえることもたくさんあります。

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