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認知症を支援する保険が登場!生命保険業界で初めて(ニュースを考える)

認知症を支援する保険

生命保険業界で初めて、認知症をカバーする保険が登場

太陽生命が、日本の生命保険業界ではじめて、認知症保険を開発し、発表しました(2016年2月2日)。内容は、保険加入者が認知症(器質性認知症)と診断され、所定の状態が180日間継続した場合に、給付金が支払われるというシンプルなものです。発売は、今年の3月からとなります。

2015年の段階で、65歳以上の人口は26.7%を超えています。また、厚生労働省によれば、2025年の段階では認知症高齢者は700万人を突破し、65歳以上の約20%が認知症という状態になると予測されています。

認知症は、早期発見・早期治療・早期対応によって、症状の進行を遅らせたり、場合によっては改善できる状態になっています。とはいえ、いざ、認知症が見つかったら、これに早期に対応するためのお金は不安です。この保険は、そうした部分をカバーするものになっています。

認知症の状態で起こした事故をカバーする損害賠償保険も欲しい

認知症の人が起こしてしまう各種事故の賠償責任が、介護をする家族にあることが問われることが、非常に怖い話として存在しています。現実に、今まさに最高裁判所で争われているケースがあります。

認知症の夫(当時91歳, 要介護4)が、妻(当時85歳, 要介護1)が数分間だけ目を離したすきにいなくなり、電車にはねられて死亡するという痛ましい事件が2007年に発生しています。この責任が、監督責任を怠った妻にあるとして、損害賠償の訴訟が起こされています。

名古屋地裁(一審)は、家族に責任があるとして、720万円の支払いを命じています。名古屋高裁(二審)では家族の中でも特に妻の責任を認め320万円の賠償を命じる判決を下しています。この事件は、現在、最高裁判所にて争われており、判決が、今年の3月に下される予定です。

もしかしたら、太陽生命が、認知症保険を今年の3月としたのは、この判決がニュースになることを見越してのことかもしれません。であれば、太陽生命には、かなりシャープなマーケティング担当者がいることになります。

こうした、認知症に関する損害賠償の不安を低減するような損害賠償保険も、ぜひ、開発してもらいたいですね。

今後、認知症をはじめとした介護系の保険は増える?

太陽生命による、この発表を受けて、保険各社は「再度」認知症をはじめとした介護系の保険の可能性を議論しているはずです。しかし、こうした保険が増えるかどうかは、まだ未知数です。

なぜなら、似たような保険については、すでに過去、保険各社は十分に検討してきたはずだからです。検討した結果「いまいち、儲からない」という結論になっているからこそ、こうした保険が少ないという現実が今あるわけです。

もちろん、今後、要介護者は増えていきますし、介護市場も大きくなっていきます。その状況をみながら、こうした保険商品を打ち出すタイミングをはかっているという可能性もあります。どのみち、今後の保険会社の動きに注目ですね。

※参考文献
・太陽生命 NEWS RELEASE, 『太陽生命、認知症の治療を支援する新商品を発売!』, 2016年2月2日

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