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日本の家計貯蓄率(毎年の貯金)は、すでにマイナスですよ。

日本の家計貯蓄率

家計貯蓄率とは?

家計貯蓄率とは、家計の「可処分所得」に対する「貯蓄」の割合のことです。ここで「可処分所得」とは、給与やボーナスから、支払い義務のある税金や社会保険料を引いた後の、個人が自由にできるお金(実質的な手取り)のことです。さらに「貯蓄」とは、この「可処分所得」から、様々な消費にかかる支出を引いたものです。

この家計貯蓄率がマイナスということは、すなわち「貯蓄」がマイナスということです。つまり、日本全体として考えると「可処分所得」が減り、生活に必要な消費がその金額を上回ってしまい、結果として「過去に積み上げた貯金を切り崩しはじめた」ということです。

この状況が、2013年からはじまっています。たまに「高齢者は年金を貯金している」といった話に出会うこともありますが、現実にはそんなことはありません。年間200万円以下の年収で暮らしている高齢者世帯は、もはや過半数になります。年間200万円で、夫婦が暮らしていけるわけもなく、貯金を切り崩しているわけです。

今後、医療費・介護保険としての社会保険料は、どんどん上がっていきます。そうなると手取りとしての「可処分所得」はもっと下がっていくでしょう。では給与が増えるのかというと、そんなこともなさそうです。特に、日本全体で見た場合、現役世代が減って、定年退職する高齢者が増えると考えれば、そもそも給与をもらう人自体が減るのですから。

貯金を切り崩しはじめた日本の未来

日本は、毎年、財政赤字を出しています。入ってくる税金以上に、お金を使っているのです。日本が、どこからお金を借りているかというと、よく知られている通り、その多くは「貯蓄」です。いま、日本中の人が、一気に銀行に押し寄せて「お金を返してください」といったら、それは日本の国債(国の借金)に化けているので、すぐには返ってこないのです。

しかし、日本の「貯蓄」は、個人によって切り崩されつつあります。そうなると、日本は、国債を銀行に買い取らせる形での借金ができなくなります。銀行に、それだけの「貯蓄」がなくなってしまうからです。もちろん、銀行には企業などの貯金もありますから、話はそれほど単純ではありませんが、それでも、日本の財政赤字をまかなうのは、かなり難しくなっていきます。

そうなると、日本もついに、外国に借金をする必要がでてきてしまいます。その未来は、ギリシャと同じ道になっていくわけです。日本は、そこまでの財政危機にあって、地方議員に対して世界的にみても高すぎる賃金を払い、今年も公務員の給与だけはしっかりと上げる(トータルの人件費約680億円増加)のですから、ほんとうに不思議です。

ゆっくりと破綻する財政は、介護を難しくさせる

最悪のシナリオですと、日本はある日、借金の期限にお金が返せなくなり、破綻します。IMF(国際通貨基金)の管理下となれば、公務員の人件費を中心として、厳しい緊縮が行われるでしょう。

ここはわかりませんが、しかし、そこまで大きな「事件」としての破綻はないように思います。徐々に、日本の社会福祉が悪化していき、徐々に公務員の総人件費(採用が抑制される)が減らされ、少しずつ沈んていくのかもしれません。

それでもなお、私たちは、生きていかなければなりません。介護も、こなしていかないといけません。なんとか、現役世代が日本の経済を牽引し、日本の破綻をどこかで止める必要があります。また「貯蓄」がない世帯も増えていきますから、そうした「世帯」が社会福祉から切り離されないように警戒することも大切です。

※参考文献
・東洋経済Online, 『家計貯蓄率がマイナス、日本経済の影響は?』, 2015年1月18日
・三井住友信託銀行, 『家計貯蓄率マイナスをどう考えるか』, 調査月報2015年2月号

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