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介護職の賃上げは6,000円。春闘の賃上げは平均7,497円だったという事実・・・(2015年の結果)

介護職の賃上げ

2015年の介護職の賃上げは平均6,000円でした・・・

「介護離職ゼロ」の実現において、もっとも重要と言われるのが、介護職の待遇改善です。介護職は、全産業の平均よりも年収ベースで100万円以上安いのです。公務員の平均と比較すると、半額程度というのが、介護職の現実です。

こうした背景を問題視して、政府は、2015年度の介護報酬改定に合わせて、介護職の報酬改善の対策(介護職員処遇改善加算)を行いました。狙いは、一人当たり月額で12,000円相当の賃上げでした(これでも全く足りませんが)。

この対策の結果を中日新聞(2016年1月13日)が報道しています。結果は、6,000円の賃上げで、狙いの半額しか増額されなかったのです。これだけなら、まだ「まあ、足りないとはいえ、増えたのだから・・・」という気分にもなります。

そもそも春闘の結果が平均7,497円でしたよね?

春闘とは、日本における労働と経営の間の、業界を超えた賃金闘争です。近年、企業間における格差も大きくなり、存在意義は失われつつあると言われますが、それでも、ここで決まる平均の賃金上昇額は、全産業の平均として、それぞれの産業の状況を判断するには意味があります。

2015年の春闘では、平均6,788円の上昇見通しだったのですが、結果としては平均7,497円の上昇と、よい結果になりました。もちろん、企業の業績や規模の大小による格差は大きく、これだけで、特定の企業のことまでわかるわけではありません。

それにしても気になるのが、介護職の賃金は平均で6,000円しか上がらなかったのに、全産業では平均で7,497円上昇しているという事実です。集計の取り方など、詳細を調べないとはっきりとしたことは言えませんが、それでも、平均で月額1,000円以上の格差がついた計算になります。

介護職の魅力は、上がるどころか減ってしまっている

どう考えても、よくない状況です。2025年の段階で、約38万人不足すると言われている介護職、20万床削減される病院のベッド数、そして2025年問題と言われる要介護者の激増(団塊の世代が75歳に到達する)を考えると、もう時間がありません。

増税、公務員の総人件費抑制(平均的に下げるのではなく、能力や実績の優れた人材はむしろ賃金を上げることも必要)に手をつけないと、日本の介護は終わってしまいます。

この問題は、今は関係ないと思っていても、必ず、誰のところにも降りかかってくる問題です。団塊の世代の親を持つ子供はもちろん、自分にも将来介護が必要になります。そのときに、介護をお願いできる人がいないという未来を生み出してしまうのは、今の私たち自身であり、自己責任になってしまうのです。

※参考文献
・中日新聞, 『介護職賃上げ6000円止まり 政府施策後も遅い改善』, 2016年1月13日
・マイナビニュース, 『”春闘”平均賃上げ額、前年比1006円増の7497円-ベアは509組合で実施』, 2015年3月23日
 

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