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高齢者を狙う詐欺師たちが知っている、3つの心理学的なテクニック(注意)

詐欺師の心理学

高齢者を狙う詐欺は年々増えている

高齢者を狙った詐欺は、年々増えています。政府やマスコミも、啓蒙活動を頑張っていますが、まったく追いついていないのが現状です。この背景にあるのは、高齢化によって起こる脳の機能低下(意思決定能力の低下)です。詐欺師たちは、高齢者のこうした弱点につけこんでいるのです。

法的にはグレーであっても、詐欺まがいの商法も多くあります。そうしたことを生業とする業者も、高齢者の弱点につけこんでいる点においては、詐欺師と変わりありません。

このような詐欺師たちの活動は、信頼をベースとした人間社会の構築にとって著しくネガティブなものです。それによっていかなる収益があろうとも、詐欺行為は、人間社会への冒涜であり、あってはならないものです。

しかし、ただ「あってはならない」と言っても、それが現実に存在しているからには、防衛策も同時に考えていかなければなりません。まずは、こうした詐欺行為の厳罰化は必要なものとして、他にどのようなことが考えられるのでしょう。

詐欺師たちが前提としている心理学的なテクニックの開示について

ここで考えておきたいのは、詐欺師たちが使う心理学的なテクニックを知っておくことです。それを知っておくことで、詐欺師たちに「引っかからない」ようになるからです。

こうした考察を公開すると「それを開示することで詐欺が増える」といった批判もあることは承知しています。ただ、詐欺師たちは、この程度の知識は当然持っているという認識も必要です。そもそも、今回開示する心理学は、書店で簡単に手に入るレベルの、非常に基礎的なものです。

以下、本当に基本的な3つの心理学上の概念と、それを用いられたときの注意点について、以下、簡単にまとめてみます。家族で話し合い、十分に注意してください。

1. 単純接触効果(ザイオンス効果)

人間は、繰り返し接触する対象のことを好きになってしまいます。この傾向のことを単純接触効果(ザイオンス効果)と言います。日常的には、各種の広告宣伝(CMなど)が、この単純接触効果を前提としています。たとえば、よく耳にする音楽を好きになったり、いきつけのレストランを好きになったり、毎日顔を合わせる人に好感をもったりするのは、背景に、この単純接触効果があるからです。小学生のときに好きだった人も、隣の席の子だったりするのも、単純接触効果です。詐欺師も、この心理学的な効果を利用して、被害者に日常的に何度も接触しようとします(偶然を装うこともあるでしょう)。そうして被害者の警戒心を解いた上で、詐欺的な行為をしかけるわけです。「昔から、よく会っている人だから」というのは、相手を信用する条件としては無効というわけです。

2. 返報性の原理

人間は、相手になにかをしてもらうと、それを「借り(負債)」に感じてしまいます。たとえば、デパート地下の惣菜売り場で、売り子さんに試食を進められて食べると、そのまま立ち去るのは悪い気がして、欲しくもないものを買ってしまう背景にも、返報性の原理が働いています。詐欺師は、こまめに被害者のところにプレゼントをもってきて、被害者の中に「借り」を積み上げます。その上で、非常に高いものを売りつけたりするわけです。これは、法的には詐欺とは言えないものの、売りつけるものが被害者にとって必要のないものであり、かつ、それが一般的な市場価格よりも高い場合は、実質的に詐欺と言えます。「いつも、色々とプレゼントをもらっているから」というのも、相手を信用する条件としては無効です。

3. ハロー効果

人間は、相手の「顕著な特徴」に引きずられて、相手の印象を決めてしまいます。たとえば、難関大学卒というだけで全人格的に信用してしまったり、弁護士というだけで頼りになると思ってしまったり、大企業からの提案というだけで問題ないと判断してしまうのも、ハロー効果です。商品のパンフレットなどに、有名人のオススメが掲載されていたりするのも、ハロー効果を前提としています。詐欺師たちが、嘘の経歴を話したり、嘘の名刺を差し出したり、ありもしない有名人による支援の話をしたりすることは、よくあることです。「有名だから」といったことは、相手を信用する条件として無効です。

※参考文献
・ロバート・B・チャルディーニ, 『影響力の武器』, 誠信書房(1991年)
・永岑光恵, et al., 『振り込め詐欺への神経科学からのアプローチ』社会技術研究論文集, Vol.6(2009年)
・安俊相, et al., 『戸建住宅団地における独居高齢者の訪問者に対する不安感の研究』日本建築学会計画系論文集, Vol.74(2009年), No.638
 

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