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退職金が住宅ローンの返済にあてられると介護で困る

退職金が住宅ローンの返済にあてられると介護で困る

退職金という賃金の支払い制度

退職金は、実質的には給与の後払いであり、終身雇用を前提とした賃金の支払い制度です。日本では、約8割の企業で退職金の制度があり、企業の規模が大きくなればなるほど、この制度が普及しています。

住宅ローンを組む場合、この退職金を、ローン返済の大きな部分にあてていることがあります。ただ、そうして住宅ローンを組むときには、将来の介護にかかるお金まで考えているケースは、それほど多くない印象があります。

特に住宅を購入しようと物件を見て回ると、本来の予算を超えて、無理をしたくなるものです。あと数百万円を積めば、より収納が大きくて、キッチンが新しくて、駅に近いといった局面になれば「長く住むからこそ、多少の無理はしても、妥協したくない」と考えてしまっても仕方がありません。

1人の介護には840万円必要

介護には、平均で月額7万円くらいかかっています。この7万円には、生活費などは含まれていません。純粋に、介護サービス利用料と、その他、介護のために発生する費用の合計です。

平均寿命から健康寿命を引き算すると、介護は、だいたい10年を想定する必要があります。月額7万円が10年続くと、840万円という数字が出てきます。これだけの費用が、1人の介護にかかることは、想定しておく必要があるということです。

そしてこれは、あくまでも、1人の介護にかかる費用です。これが両親2名と自分自身まで考えると、2,500万円といったレベルで、介護のためのお金を考えなければならなくなります。

住宅ローンのために介護が苦しくなる?

住宅ローンで退職金が消えてしまう人の場合、こうして介護にかかる費用は、どうするのでしょう。年金は、通常の生活を送るにも足りないイメージがあり、その上さらに、介護のためのお金が必要となれば、少なからぬ人の家計は破綻してしまいます。

金融機関は、年金受給者には、意外と積極的にお金を貸してくれます。年金は、かなりの安定収入と見なされるからです。ただ、そうして金融機関から気軽にお金を借りてしまえば、その金利の支払いや返済のために、家計は厳しくなっていくしかありません。

そこで、住宅が売れたら、まだ良いのです。しかし、住宅は、長年の生活で古くなっており、地価も、地方だったりすると値下がりしていることも多く、住宅が売れなかったり、売れても返って苦しくなってしまう可能性もあります。

人生設計に介護の期間とお金を

住宅ローンがあり、そのローンの返済に退職金をあてるローン設計になっている場合は、非常に危険です。介護についてしっかりと考え、そのための資金をシミュレーションした上で、その家に住み続けるという選択肢を放棄することも検討すべきです。

その家の周辺に、介護事業者があるかどうかも、重要な判断ポイントです。自分に介護が必要になった場合、そうした介護事業者の介護サービスが必要になるからです。

そして、親の介護に10年、自分自身の介護に10年という具合に、人生の後半戦における20年の介護を想定する必要があります。ざっくりいって、誰もが人生の3割くらいは介護に関わることになるのです。

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