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日本の年金、持続性の評価で最悪

日本の年金、持続性の評価で最悪

マーサー・メルボルン・グローバル年金指数 (MMGPI)

マーサー・メルボルン・グローバル年金指数 (MMGPI) は、2009年より続けられている各国の年金評価レポートです。このレポートでは、世界34ヵ国における年金の状態評価がなされており、ランキングとして見ることができるようになっています。

どこの国も高齢化という課題に直面しており、年金に関する政策において悩んでいます。一番のポイントは、老後を豊かに暮らせるだけの金額が支給できているかという「十分性」と、長期に渡ってそれだけの金額が支給できるかという「継続性」を両立させることです。

簡単に言えば、近未来だけを考えていると「十分性」に偏ります。その場合、高額な年金をいまの高齢者に支払うかわりに、将来を犠牲にします。ですから、年金の政策とは、こうして「十分性」に偏ることなく、財源を健全に確保することによって「持続性」をみながら、支給する金額を調整するということなのです。

日本の年金は34ヵ国中29位

今回の2018年評価では、日本の年金は、34ヵ国中29位でした。このランキングは日本にとって不名誉なものですが、今回の総合指数は48.2という点数は、日本にとっては過去最高値です。もともとひどい年金なのですが、それが少しずつではあっても改善しているということです。

ただ、その改善項目は「十分性」のほうで、48.0(評価D)から54.1(評価C)に改善されています。持続性も26.0(評価E)から32.4(評価E)に上がったものの、評価はいまだに最悪の評価Eのままです。相変わらず、子供の未来を食いつぶすような状態が続いています。

A,B,C,D,Eの5段階評価で、日本は「十分性」が評価Cで「持続性」で評価Eというアンバランスな状態です。次の変化は「十分性」を犠牲にして評価Dとし「持続性」も評価Dに上げていくことになるでしょう。いずれ、年金の支給額を減らす方向に手をつけないとならないときがきます。

ちなみに評価Eとは「構築の初期段階にある不十分な制度。または制度が存在しない。」という定義です。この定義からも、日本の年金の「継続性」のひどさがよくわかります。なんとかしないと、現役世代が年金をもらうころには、支給額がまったく足りないということになりかねないのです。

年金評価が総合で評価Aの国について

総合評価で評価Aとなったのは、オランダ(80.3)とデンマーク(80.2)でした。この2つの国は、十分な給付額を、長期にわたって持続していくことが可能な状態ということです。これらの国では、国民は将来不安が少ないため、健全な消費も起こりやすく、景気も大崩れしないでしょう。

これに対して、日本人の8割近くは、年金不安を主な理由として、将来の経済について不安に思っていることがわかっています。当然、消費は伸び悩み、デフレからの脱却も難しくなります。誰もがお金を使いたくないので、誰もが儲かりにくいという状況が、長期に渡って続いてしまっているのです。

年金制度の導入には、文化的な背景の違いなどもあって、他国の政策が、そのまま使えるというわけでもありません。それでも、状況の改善は可能であり、それがこうして客観指標で評価されていくのは、非常に良いことです。とにかく、人生100年時代と言われる現代に、年金制度が過去と同じでよいはずもありません。

※参考文献
・マーサー, 『グローバル年金指数ランキング」 (2018年度) を発表 日本の年金制度は34ヵ国中29位』, 2018年10月22日

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