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見えやすい税金に反発し、見えにくい税金はスルー?

見えやすい税金に反発し、見えにくい税金をスルー

少子高齢化社会における最大の問題

日本が少子高齢化に直面しており、それによって問題が起こっているということは、誰もが知っていることです。そうした問題の中でも、特に、お金に関することが、かなり顕在化してきています。来年からの消費税増税もそうですが、絶対に、そこで話はとまりません。まだまだ、実質的な増税は続いていきます。

日本の高齢者福祉は、賦課方式(ふかほうしき)と言って「現役世代が支払うお金(税金+社会保険料)によって高齢者が支えられる」という制度になっています。この制度においては、現役世代と高齢者の構成比率によって、現役世代の負担が大きく上下します。

過去のように、現役世代が多く、高齢者の少ない社会であれば、賦課方式が無理なく運用できます。しかし、現役世代が減少していき、高齢者が急増していくこれからの日本においては、同じ話は通用しないのです。その一つの出来事が、来年からの消費税増税です。

増税を喜ぶ人は、どこにもいないでしょう。しかし、これはもう、仕方のないことです。イメージでいうなら、火事になっているところ(日本)に、消防車から水(税金)をまいているわけですが、火の手はむしろ勢いを増しており、水(税金)が足りないというところです。

来年10月からの消費税増税に注目が集まる

消費税は、来年の10月から、10%に増税されます。私たちがしっかりと認識しておきたいのは、これは増税の打ち止めではないということです。今後もさらに、消費税は上がっていくことになるでしょう。以下、政治家の発言を、朝日新聞の記事(2018年10月23日)より、一部引用します。

来年の10月から、消費税を上げることを安倍内閣は閣議決定した。正直に言いまして、(消費税が)10%で打ち止めというわけにはいかないと感じております。いくらになるかは予想はできませんが、まだ上げなければ、財政再建には寄与できない。

消費税を上げる、あるいは別の税金で増税をする。誰も喜びません。必ず選挙にまた負けます。しかし、やらなきゃならんのです。それが、政権を担当する我々が背負わなければならない荷物である。(後略)

とにかく日本が火事であり、その火消しをするには、水(税金)が足りていないという状況です。火の手は、これからもっと強くなります。増税も、そのやり方や中身については改善の余地が大いにありますが、増税自体はどうしても避けられません。

本当のターゲットは大企業の従業員

税金の中には、消費税のように、日々の生活の中で増税が実感されることになる「見えやすい税金」もあります。こうした「見えやすい税金」は、その増税に手をつけると、国民からの反発が大きくなり、政権にとって痛手になります。端的に言えば、選挙で負けやすくなるわけです。

これに対して、年金、健康保険や介護保険といった広い意味での社会保険料は、実質的な税金なのですが、税金という言葉が用いられないこともあって「見えにくい税金」です。これは過去25年で6%程度上がっていますが、ここに手をつけても、マスコミが騒がないからか、あまり政権にはダメージになりません。

そうなると、今後も、消費税などの増税の影で、社会保険料もまた、ますます上がっていくことになります。特に、比較的所得の高い大企業の従業員は狙い撃ちにされているのですが、そうしたことが話題になることは少ないでしょう。

大企業の従業員としてよい待遇を受けているのだから問題ないというのは間違いです。これから問題が顕在化してくるのは、こうした大企業への信頼によって無理な住宅ローンを組んでいる人たちの破綻です。給与は思ったよりも上がらないのに「見えにくい税金」がどんどん増えていくからです。

これからどうすればいいのか

これからどうすればいいのでしょう。基本的には、長期ローンはできる限り早く返済しつつ、副業などを活用して生活の防衛をしながら、政治にもっと関心をもっていくしかありません。特に、税金の使い方については、国民として、意見を上げていかないと、大変なことになります。

副業という意味では、国をあげて推進しようとしていますし、様々なITプラットフォームが、副業への参入を簡単にしています。副業からの学びが、本業のパフォーマンスをあげるという側面も無視できません。副業のためのスキル獲得にも、いまの日本では、多くの講座が安価に提供されています。

政治への関心という意味では、揚げ足取りのようなことに時間を使う政治家ではなく、社会的弱者への対応を真剣に話題にする政治家を応援していく必要があります。かつて「年収300万円時代がやってくる」という言論に多くの識者が反発しましたが、いまや、そうした反発はどこにも見ることができないでしょう。

誰もが、勤務先が買収されて人事制度がかわったり、病気で少し休んだり、親の介護がはじまるといったちょっとしたことで、簡単に貧困になってしまう時代になりました。そうした時代には、社会的弱者のためのセーフティーネットの強化が不可欠です。その整備を進める政治家が当選していかないと、私たち自身の未来がないのです。

※参考文献
・朝日新聞, 『自民・竹下氏「消費税10%打ち止めとはいかない」』, 2018年10月23日

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