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振り込め詐欺グループに、高齢者がスカウトされている?

振り込め詐欺グループに、高齢者がスカウトされている?

詐欺のターゲットになる高齢者

高齢者は、様々な詐欺のターゲットになっています。認知能力が低下しているということもありますが、そもそも高齢者は、自らの金融資産に関する考え方を変え、詐欺に引っかかりやすくなる(AAFV)ことも知られています。

いまだに「オレオレ詐欺」のようなものもありますが、詐欺の手口は、どんどん高度化してきているため、どうしてもいたちごっこになります。そして、高齢者のほうが、自分は詐欺に引っかかりにくいと油断していることも、こうした詐欺が減らない原因のひとつにもなっています。

詐欺に関する高齢者からの相談件数

詐欺グループの下っ端として高齢者が使われている

そうした中、詐欺グループも人材の確保に苦労しているのでしょう。高齢者が、詐欺グループの下っ端として使われているというニュースが入ってきました。以下、読売新聞の記事(2018年11月2日)より、一部引用します(改行位置のみKAIGO LABにて修正)。

振り込め詐欺で、外国人や高齢者が摘発されるケースが目立っている。昨年は外国人の摘発が5年前の3倍に増え、65歳以上も2倍に。多くは弁護士などを装って現金を受け取る「受け子」で、警察は、摘発の強化で人手不足に悩む詐欺グループが、生活に苦しむ外国人や高齢者を狙って勧誘しているとみて警戒を強めている。(中略)

指定場所で金を受け取りに来る「弁護士」を待ち構えていると、現れたのは足取りも弱々しい69歳の男だった。無言でカバンを開き、中に金を入れるように促すそぶりをしたため、捜査員が取り囲むと、男は抵抗せずに関与を認め、詐欺未遂容疑で現行犯逮捕された。

男は「勤務していた飲食店の店長に誘われ、受け子を始めた。話せばボロが出るので、黙って金を受け取るつもりだった」などと供述。詐欺グループから1回10万円の成功報酬をもらう約束だったという。(後略)

詐欺とは無縁なイメージが利用されている

それまでずっと真面目に生きてきて年齢を重ねた高齢者が、まさか詐欺を働くとは考えにくいことでしょう。しかしだからこそ、そうした高齢者のほうが、詐欺グループにスカウトされやすいということでもあります。先のニュースに登場する69歳の男性も、そうした被害者の一人と言えそうです。

もちろん、詐欺に加担するのは、犯罪であり、いけないことです。しかし、このケースでは、詐欺への加担を誘いかけてくるのが、自分が勤務している職場の上司といった、普段の生活費を依存している先だったりするとなると、同情の気持ちも湧いてきます。企業における不祥事と同じで、末端を取り締まっても仕方がないでしょう。

少なからぬ高齢者は、貯金を持たず、生活費にも困るような状況になっています。高齢者になってから、色々と条件のよい職場を見つけるのも大変です。そうした高齢者は、こうした犯罪に手を出してしまう可能性も高まってしまうことになります。

介護業界も、これに注意したい

介護業界は、日常的に、高齢者と関わる業界です。そうして高齢者に関わっていると、どこの世帯がお金に困っているかも、すぐにわかるものです。そうした関わりの中から、詐欺グループからスカウトされかねない高齢者も、見えてくると思います。

そうして、お金に困っている高齢者を見つけたら、上司に報告するだけでなく、民生委員に連絡を入れたり、地域包括支援センターと連携したりといった、もう一歩つっこんだ対応が求められる時代になってきました。

とにかく、そうした高齢者を孤立させてしまうと、犯罪はいけないことといった常識さえ、守ることが難しくなってしまいます。詐欺グループの一員であっても、下っ端として働かされる人は、社会的弱者であり、被害者としての側面もあります。介護には社会福祉的な側面もあることを忘れず、見つけた課題は放置しないようにしたいものです。

※参考文献
・読売新聞, 『弁護士装う69歳、振り込め摘発で目立つ高齢者』, 2018年11月2日

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