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逮捕された詐欺グループの拠点に、8万人分の高齢者名簿が・・・

逮捕された詐欺グループの拠点に、8万人分の高齢者名簿が・・・

高齢者をターゲットにした詐欺が増加中

高齢者をターゲットにした詐欺が増加中です。詐欺事件というのは、泣き寝入りする人がいたり、自分が被害にあっていることに気づかないこともあり、その実態把握が難しいものです。ただとにかく、高齢者からの詐欺の相談件数はうなぎのぼりになっており、詐欺が増えていることは確実と考えられています。

そうした中、逮捕された詐欺グループが、なんと、8万人分もの高齢者名簿を持っていたというニュースが入ってきました。このニュースが伝えるところには、他にも多くの懸念点が認められます。まずは以下、MBSの記事(2018年7月12日)より、一部引用します。

高齢者から現金をだまし取ろうとしたとして特殊詐欺グループのメンバー9人が逮捕された事件で、大阪市内にある拠点から高齢者ら約8万人分の名簿が見つかりました。(中略)

警察によりますと、大阪市内にある2か所の拠点から高齢者の電話番号などがのった約8万人分の名簿のほか携帯電話約30台、犯行の手口などを記したマニュアルなどを押収したということです。(後略)

逮捕された9人は組織的に動いていることは明白でしょう。しかも、大規模な名簿と犯行マニュアルなどは自分たちで作ったものではないはずです。さらに、こうして逮捕されるようなリスクのある活動をするのは下っ端であり、背後には、より大きな組織があると考えないとなりません。

背景にあるのは「半グレ」ではないか?

日本は、近代化の中で、暴力団の影響を減らすように動いてきました。1992年には暴力団対策法が施行され、その後は暴力団排除条例が広がることで、暴力団の構成員は減り続けています。1960年代には10万人を突破したこともある暴力団の構成員も、2016年には2万人を下回っているのです。

しかし、これによって反社会勢力がいなくなったわけではありません。反社会勢力に属する人からすれば、暴力団に加入する旨味が減っただけの話です。暴力団としてマークされている組織ではなく、よりグレーな組織に所属するればよいだけです。

実は、暴力団の構成員が減ったことで、返って、反社会勢力の実態把握が難しくなったという側面もあるわけです。その代表格とも言えるのが「半グレ」です。暴力団と一般人のグレーゾーンにいるということも意味する「半グレ」は、暴力団よりもゆるい、ルールのない組織であり、くっついたり離れたりと、つながりも明確ではありません。

儲け話があれば組織化して、それが危なくなれば解散するようなイメージです。今回、逮捕された9名は、そんな「半グレ」だったのではないかと思います。その背後には、もっと大きな組織があるでしょうが、その組織自体もまた、暴力団ではなく「半グレ」である可能性も否定できません。

介護業界の周辺でも怪しい動きが確認されている

介護業界は、そもそも、高齢者を相手にすることの多い業界です。要介護者は、必ずしも高齢者ではないものの、一般論としては、高齢者を支援するために整備されてきた業界であることは事実です。そんな介護業界にも、なんらかの詐欺につながるのではないかというニュースがいくつかありました。

まず、日本全国で、過去の卒業アルバムが切り取られという不可解な事件が多発しています。過去の写真は、介護において、回想法と呼ばれる介護技術に用いられることのあるものです。認知症の高齢者に対して、この回想法を悪用した詐欺が行われてしまわないか、懸念されています。

また、認知症サポーターという資格を取得するともらえるオレンジリングが、不正に売買されています。このオレンジリングをしている人は、介護を必要とする高齢者からすれば、介護業界の人だったり、介護に理解のある人だという印象になります。これも詐欺に悪用されないか、懸念されています。

高齢者の周辺にいる人が注意し、大きくは救済が必要

とにかく、介護のプロや、親が高齢者になっている人の場合は、詐欺に注意しておかないとなりません。高齢者本人はというと・・・実は、高齢になるほどに、詐欺への警戒心が減ってしまうという事実がわかっています。だからこそ、詐欺のターゲットになってしまうわけですが、こうした点を改善するには時間もかかり、短期的には期待できません。

とはいえ、周辺にいる人が注意するにも限界があります。また、残念なことですが、高齢者の中には、孤立してしまっており、周辺に人がいないという人も多数います。そして、そのように孤立してしまっている高齢者こそが、詐欺のターゲットになるのでしょう。

そして、こうして詐欺に合ってしまった高齢者を、ただ自己責任として放置するには、とにかく数が多すぎます。まず、保険会社には、詐欺の被害に合ってしまった場合の保険を考えてもらいたいところです。国もまた、そうして詐欺の被害に合ってしまった人を救済する仕組みを準備すべきでしょう。

※参考文献
・MBS, 『特殊詐欺グループ9人逮捕 拠点から“高齢者8万人分の名簿”』, 2018年7月12日

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