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高齢者の医療費負担の改革が後退か?この進捗はみんなで監視すべきだ

高齢者の医療費負担の改革が後退か?この進捗はみんなで監視すべきだ

医療費の自己負担における不公平

医療費の自己負担の割合は、年齢に応じて(1)小学校入学前まで2割(2)小学校入学〜70歳まで3割(3)70〜74歳まで2割(4)75歳以上は1割という形で設定されています。これは、まるで日本の少子高齢化を進めるための制度のようです。実に不公平なものであり、どうしても改革が求められます。

これから高齢化が進んで、高齢者のための医療費がどんどん大きくなっていくことを考えれば、こうした不公平を維持していくことはできません。原則、医療費の自己負担は年齢によらず3割とし、子供だけは1割にするなどしないと、日本の医療福祉がおかしなことになってしまいます。

そうした背景から、まずは、75歳以上であっても2割にしようという議論がありました。これを2018年度中に決めていくことが、いまの政権の計画だったのです。しかし、この計画が(ひっそりと)後ろ倒しになっているようなのです。以下、メディ・ウォッチの記事(2018年6月20日)より、一部引用します。

骨太の方針2018においては、社会保障改革を軸とする「基盤強化期間」の設定など高く評価できる部分もあるが、例えば、「経済・財政再生計画」の改革工程表(2018改定版)では「2018年度中に後期高齢者の窓口負担の在り方を検討する」とされていたものが後退しかねない内容となっている。(中略)

「経済・財政再生計画 改革工程表2017改定版」では、この問題について「2018年度中に関係審議会等において検討し、結論を得る」ことが明示されていました。しかし、今般閣議決定された骨太の方針2018では「団塊世代が後期高齢者入りするまでに、世代間の公平性や制度の持続性確保の観点から、後期高齢者の窓口負担の在り方について検討する」との書きぶりになっています。

団塊世代が後期高齢者(75歳以上)になりはじめるのは2022年度です。「2018年度中」だったものが「2022年までに」という形で、今回(ひっそりと)改変されているのです。これは問題の先送りであり、痛みをともなう改革を避けたいという意向の現れでしょう。

高齢者を一律で弱者として扱うことから脱却すべき

日本の各種制度は、高齢者を一律で社会的弱者として扱う形になっています。しかし高齢者の中には、現役世代よりもずっと稼いでいる人もいますし、巨額の資産をもっている人も少なくありません。そうした高齢者と、本当にお金がない高齢者を同じように扱っていること自体に問題があります。

日本の各種制度は、お金持ちからお金を集め、年齢や属性によらず、お金が本当に足りない人のところにそれを届けるように再設計する必要があります。ひとまとめに高齢者として扱うことをやめ、年齢によらない、本当に機能する社会福祉を実現する必要があります。

ここで、こうした資産状況などに関する調査には、数百億円規模の莫大な費用がかかります。そうした費用は無駄なので、本当は一気にベーシックインカムまで行けたらよいのです。ベーシックインカムであれば、ほぼ自動的に、少子化対策にもなります。それが難しくても、とにかく高齢者だから弱者と決めつける形での社会福祉のあり方は、早急に是正されるべきでしょう。

※参考文献
・メディ・ウォッチ, 『骨太方針2018、「後期高齢者の自己負担2割への引き上げ」は後退―健保連』, 2018年6月20日

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