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そのマンションには、長くは住めないかもしれない

そのマンションには、長くは住めないかもしれない

マンションの修繕費積立不足がリバースモーゲージを破壊する?

マンションは、10数年ごとに修繕が必要です。はじめのころの修繕では、外装の補修などで終わることも多いのですが、年数がかさんでくると、水回りやエレベーター、駐車場など、様々な修繕が必要になります。これにともなって、修繕費もまた高額になっていきます。

しかし、修繕費はそうして徐々に高額になっていくのに対して、住民は高齢化して所得が不安な状態になっていきます。そうなると、修繕の内容について、住民の合意が得られず、マンション全体の資産価値が下落していく方向になってしまいがちなのです。

マンションの資産価値が下がっても問題ないという人もいるでしょう。しかしその場合、自宅を担保にして、そこに住み続けながら融資を受けるリバースモーゲージは受けにくくなります。医療や介護に、想定以上にお金がかかる場合、このリバースモーゲージは頼みの綱です。これが使えないとなると、路頭に迷う高齢者も出てきます。

日本経済新聞のスクープ

そんな背景を理解した上で、今年の3月に発表された日本経済新聞のスクープを読むと、薄ら寒い気持ちになります。まずは以下、その日本経済新聞によるスクープ記事(2018年3月26日)より、一部引用します。

マンションの修繕工事に使う財源が不足する懸念が強まっている。所有者が払う修繕積立金の水準を日本経済新聞が調べたところ、全国の物件の75%が国の目安を下回っていた。適切な維持管理には引き上げが必要だが住民合意は簡単ではない。(中略)

日経は不動産情報会社グルーヴ・アール(東京・港)の協力を得て、全国の物件の1割にあたる1万4千棟の修繕積立金を分析した。基金の実勢平均額を加え独自に試算すると、約1万500棟が国の目安を下回った。このうち、約900棟あるタワーマンションは8割弱が未達だった。国の目安の半分に達していない物件も1割あった。(中略)

国交省によると、マンションの世帯主が60歳以上の比率は1999年度の26%から13年度は50%に高まった。東京都八王子市のあるマンションは昨年、最初の提案から8年がかりで増額を実現したが「高齢者から『値上げは勘弁して』との声が多く上がった」(後略)。

修繕費を増額するのは簡単ではない

では、ということで、想定外に膨らむことの多い修繕費に対して、積立金を増額しようとしても、それは簡単ではありません。法律で、積立金の増額には、マンションの所有者の4分の3以上の同意が求められるからです。

まず、お金が足りない所有者は、これに反対をする可能性も高いでしょう。さらに、所有者が、投機目的の外国人だったりするケースも増えています。そうなると、ただ所有者に連絡をつけるだけでも大変でしょう。

マンション管理における資金の状況を正確に読み解いて、危ないと思ったら早めにマンションを売って逃げ切れる人と、そうでない人にわかれていくことになります。そうして逃げ切りの時期を逃すと、悲惨な未来が待っている可能性も高いのです。

※参考文献
・日本経済新聞, 『マンション修繕金、75%が足りず 高齢化で増額難しく』, 2018年3月26日

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