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やはり過去最高の記録更新をしていた、介護事業者の倒産件数(確定)

やはり過去最高の記録更新をしていた、介護事業者の倒産件数(確定)

当たり前すぎて報道されなくなってきた

東京商工リサーチが、確定の数字として、2017年度の介護事業者の倒産件数を発表しています。推定値として、すでに過去最高の記録を更新しそうだという話は、昨年末には出ていました。この推定値が正しかったことが、今回の発表で確定しています。以下、東京商工リサーチの発表(2018年4月9日)より、一部引用します。

2017年度(2017年4月-2018年3月)の「老人福祉・介護事業」倒産は、介護保険法が施行された2000年度以降、最多の115件に達した。倒産した事業者は、従業員5人未満が全体の60.8%、設立5年以内が39.1%を占めており、小規模で設立間もない事業者が倒産を押し上げる構図が鮮明になった。(中略)

倒産の増加要因としては、(1)同業他社との競争激化から経営力、資金力が劣る業者の淘汰が加速、(2)2015年度の介護報酬の実質マイナス改定による収益への影響、(3)介護職員不足の中で離職を防ぐための人件費上昇、などが挙げられる。(中略)

業種別では、「訪問介護事業」の47件(前年度45件)を筆頭にして、デイサービスなどの「通所・短期入所介護事業」が44件(同39件)、「有料老人ホーム」が9件(同11件)、サービス付き高齢者住宅などを含む「その他の老人福祉・介護事業」が8件(同8件)などだった。(後略)

この発表からすでに10日以上経っているわけですが、各種メディアは、実質的にスルーしている状況です。ニュースとしての価値がないのでしょう。それだけ、介護事業者の倒産は当たり前のことになりつつあります。景気が良いのに、いや、景気がよくて介護業界から他の業界への転職が増えてしまっているからこその倒産でもあります。

介護職の待遇改善をしないと、社会が壊れてしまう

KAIGO LABでもなんども繰り返し記事にしていることですが、介護職の待遇は、とにかく、改善する必要があります。介護事業者の売り上げは、ほとんどが介護保険制度によって定められているため、介護職の待遇改善には、介護に投入する公費(税金や保険料)を増やすしか手がありません。

介護職の待遇が改善されないと、好景気と人口減少によって、他の業界でも人材不足が顕在化しつつある今、介護業界の人手不足は解消されません。これがさらに、介護事業者の倒産を呼び込みます。結果として、介護を必要とする人のところに、介護サービスが届けられないという事態が増えていくことになります。

介護職がいないと生きられない人は多数います。しかし、介護職がいなくなるという方向に、この社会は向かってきています。このまま行くと、道端で高齢者がゴロゴロと死んている社会が登場していまうでしょう。これは大げさな話ではないのですが、どうしても、介護から遠い人々には届かないのです。

そうなってから「こんなことになるまで、どうして、介護業界を放置してきたんだ!」と叫んでも遅いのです。なんとか、介護から遠い人々のところにも、介護業界の存在意義を伝えていく必要があります。介護業界がその努力をやめたとき、日本の社会は壊れてしまいます。

※参考文献
・東京商工リサーチ, 『2017年度「老人福祉・介護事業」の倒産状況』, 2018年4月9日

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