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深刻化する介護保険料の格差について

深刻化する介護保険料の格差について

介護保険料が徴収されていることを意識していますか?

いざ、自分に介護が必要になったとき、その費用の9割(所得によっては7〜8割ということも)まで面倒をみてくれるのが介護保険です。実際の財源は税金などの公費からが50%です。残りの50%は、40歳以上から毎月徴収される介護保険料でまかなわれています。

保険ですから、利用すればするほど、掛け金が上がります。日本では、自治体ごとに介護保険の利用状況が測定され、それが保険料に反映されるようになっています。結果として介護保険料は、市区町村などの自治体における最大と最小の介護保険料には3倍以上の開きが出てしまっているのです。

長期的二は、日本全体で高齢化が進むのですから、介護保険料はどんどん高くなっていくことは明白です。そんな中、象徴的なニュースが2つの地方紙から出されています。比較するとこの問題が見えやすいので、2紙の比較として以下引用します。

(長野日報, 2018年3月6日)辰野町は2018年度から、介護保険料の第1号被保険者(65歳以上)の基準月額を現行に比べ3.5%(180円)引き下げる。(中略)町の介護保険料は、現行の基準月額が5180円、年額6万円2160円。条例改正により、18年度からは同5000円、6万円へ引き下げる。(後略)

(西日本新聞, 2018年3月3日)65歳以上が支払う介護保険料(基準月額)が、4月から筑豊地区など8町村のグループで8048円に引き上げられることが分かった。現行の7369円は九州186保険者の中で最高額、全国では10位だが、さらに679円増となる。(後略)

これからさらに増える介護保険料

日本の介護保険料は、3年に1度みなおされ修正されます。2017年度までは、全国平均で5,514円だった介護保険料は、2025年度には全国平均で8,165円にまで上がることが予想されています(厚生労働省, 平成27年度)。

しかし先の2紙比較でもわかるとおり、平均だけ見ていると負担を見誤ります。すでに2025年を待つまでもなく8,000円代に突入している自治体もあれば、前の年を下回る自治体もあるわけです。こうした格差は、今後もさらに拡大していく可能性が高いでしょう。

問題は、月額1万円を突破するような時代がやってきてしまうことです。その時に不景気などが重なれば、多くの人の可処分所得が今とは比較にならないほど減ってしまいます。そうなると、ローン破綻する人が増えるだけでなく、景気はさらに冷え込んでしまいます。

本当は、自治体の間に生まれてしまっている介護保険料の格差が問題なのではありません。今と同じ仕組みは継続することができないということが本質なのです。しかし日本の大多数の人は、こうした未来に目を向けてくれそうもありません。すると、気がついたときには悲惨な環境しか残されていないことになります。

※参考文献
・長野日報, 『介護保険料3.5%引き下げ 来年度辰野町』, 2018年3月6日
・西日本新聞, 『福岡8町村の介護保険料が月8048円に 65歳以上、当初の2.7倍 4月から』, 2018年3月3日
・厚生労働省, 『公的介護保険制度の現状と今後の役割』, 平成27年度

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