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75歳以上の医療費、自己負担が1割から2割に上がる?

75歳以上の医療費、自己負担が1割から2割に上がる?

医療費の自己負担は、子供と現役世代に厳しい

現在、医療費の自己負担(窓口負担)は、原則として、未就学児が2割、6歳~69歳では3割、70歳~74歳が2割、そして75歳以上は1割となっています(70歳以上でも、現役並みの所得があれば3割)。このように、これまでは、70歳以上が優遇されており、子供と現役世代の負担が大きい状態でした。

しかし、日本の社会福祉財源は、いよいよ枯渇しつつあります。そうした状況を受けて、75歳以上の高齢者の医療費の自己負担を、現在の1割から2割に引き上げようという動きが出てきています。以下、共同通信の記事(2017年10月26日)より、一部引用します。

社会保障費の膨張を抑えるため財務省がまとめた改革案が20日分かった。75歳以上の人が病院の窓口で負担する医療費の割合を現在の原則1割から2割へと引き上げるのが柱。(中略)

25日の財政制度等審議会で示し、年末から来年にかけて議論を進める。負担増となる高齢者や、受診抑制により収入が減る可能性のある医療機関の反発は必至で、調整は難航が予想される。

調整は難航すると言うけれど・・・

子供を育てている家庭は、3割の自己負担を、子供にも自分自身にも強いられています。これに対して、70歳以上が優遇されているという状態は、ある意味で、子供の人生を犠牲にした上で成立している不平等なものです。

とはいえ、子供も病気になりやすいですが、高齢者もまた病気になりやすく、かつ、お金の不安がある人も多数います。しかし、だからといって、いつまでも高齢者だけを優遇しておけるような状態ではないのです。

そもそも、過去にも、所得が十分にある高齢者は、自己負担3割に引き上げられたという歴史があります。そのときに「自分には関係ないから」と反対しなかった人が、いざ、自分のことになってから反対したとしても、所得のある高齢者たちは、それに同調してはくれないでしょう。

同じようにして、すでに3割の負担をしている現役世代(特に子育てをしている人)は、今回の75歳以上を狙い撃ちする自己負担の引き上げに賛成こそすれ、反対することはありません。社会福祉政策というものは、他者への無関心が、いずれ自分に跳ね返ってくるという性格を持っているのです。

受診をためらうことによる病気の悪化は避けられない

結果として、自己負担は2割になり、さらに将来は3割になっていくことは確実だと思われます。それに対して反対をする人は、基本的には当事者だけですから、この流れは止められません。いかに嘆いても、それは不平等を放置してきた本人たちの責任でもあります。

そうして自己負担の割合が増えると、お金の問題から、病院の受診をためらう高齢者が増えることは必至です。病気は、早期発見と早期治療が大事なのですが、これがマクロにはうまくいかなくなる可能性が高いのです。

非常に残念なことですが、これが現在の日本の実力です。低負担で高福祉だった過去から、高負担で低福祉という未来に向かうという道筋自体は、完全に出来上がっており、今から変更は不可能という状態です。これから、非常に厳しい時代になっていきます。

※参考文献
・共同通信, 『75歳以上、医療窓口負担2割に』, 2017年10月26日

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