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金融機関の経営悪化と高齢者シフトについて(VRMの出現まではトラブルが続く)

金融機関の経営悪化と高齢者シフトについて

人工知能の脅威は、金融機関からはじまっている

金融機関では、人工知能への対応によって、人間がいらなくなってきています。金融の世界では最先端にいるゴールドマンサックス(ニューヨーク本店)では、2000年には600人もいたトレーダーが、2017年の時点で2人にまで減っています。

日本の金融機関も、これまでは、低金利を利用してお金を借りて、それで国債を買うという「おいしい」ビジネスに依存してきました。しかしそれもいよいよ立ち行かなくなり、世間を驚かせるようなリストラが始まっているのは、多くの人が知るところです。

意外かもしれませんが、人工知能が奪うのは、エリートの仕事からという背景があります。人工知能を開発する側からすれば、人工知能によって置き換える人材の人件費が高ければ高いほど儲かるからです。このため、人工知能の脅威は、金融機関から始まっているわけです。

日本の金融機関は、活路を高齢者に求めはじめている

こうした中、日本の金融機関は、生き残りをかけて高齢者顧客の取り込みに急ぎ始めています。以下、NHK NEWS WEBの記事(2017年10月29日)より、一部引用します(改行位置のみKAIGO LABにて修正)。

人生100年時代とも言われる中、金融機関では認知症について学んだり高齢者向けのサービスを始めたりするなど、顧客の高齢化に対応しようという動きが広がっています。証券大手の野村証券はこの春お年寄りの顧客を主に担当する社員を各地の支店に配置し、今月、大学から医学部の教授らを招き、高齢者について学ぶ研修会を開きました。(中略)

一方、三井住友信託銀行は認知症になった場合などに備えて財産管理の代理人をあらかじめ選んでおく「任意後見人制度」の利便性を高めようと、新たなサービスを始めました。この制度を利用する際、銀行が財産を預かることで後見人とのトラブルを防いだり、高齢者が生活に必要な資金を定期的に受け取ったりできるようにするものです。(後略)

必要のないものまで買わないように注意したい

ここで怖いのは、情報の非対称性です。情報の非対称性とは、情報の出してと受けての間に、その情報に関する大きな知識ギャップがあることを意味する言葉です。医療や介護はその典型的なものですが、金融商品もまた、情報の非対称性が存在するものの代表格です。

特に高齢者の場合、リスクの高い金融商品を買ってしまうと、運が悪ければ大変なことになってしまいます。しかし同時に、将来が不安な高齢者ほど、少しでもリターンの大きな金融商品を買いたいとも思うでしょう。ここに大きなトラブルの種が存在しています。

金融機関は、なにも違法なことをしている訳ではありません。ただ、相手は生き残りをかけて営業にきています。このとき、法的には問題なくても、リスクの高い金融商品をそれと知らずに買ってしまう高齢者が増えることは、目に見えているのです。

このトラブルもまた、人工知能が解決する

とにかく、甘い話はないものと考えておく必要があります。有名な金融機関だからと信頼すべきではないし、逆に、無名だからダメということもありません。基本的には、自分がよくわからないものは買わないというのが鉄則ではあります。

しかしもう少ししたら、売る側の人工知能だけでなく、買う側の人工知能が出てきます。金融商品に限らず、なにか商品を買うときに、その商品が本当に自分のためになるのか、リスクと合わせて正確に説明してくれるというものです。

専門的には、売る側が使ってくるCRM(Customer Relationship Management)という手法に対して、逆に買う側がVRM(Vendor Relationship Management)という手法で自らを防御しつつ、個人が自分に必要となる商品のほうを管理するという発想が出現しつつあるのです。

とはいえ、VRMが実際に使える状態で登場するまでは、トラブルの発生は(残念ながら)止められそうもありません。それまでは、難しい商品を買うときは、自分一人で判断せずに、周囲の助言を総合的に判断していく必要がありそうです。

※参考文献
・Gigazine, 『人工知能による自動化が進むゴールドマン・サックス、人間のトレーダーは600人から2人へ』, 2017年2月8日
・NHK NEWS WEB, 『人生100年時代 金融機関で高齢化対応広がる』, 2017年10月29日

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