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しっかりと生活保護の受給を考えよう

しっかりと生活保護の受給を考えよう

諸外国と比較しても圧倒的に低い受給率

日本では、全人口の1.6%しか生活保護を受給していません。これは、先進諸外国と比較しても、相当に低い数字です。たとえば、ドイツでは9.7%、イギリスでは9.3%、フランスでは5.7%が生活保護を受給しています。

この原因としては、本来であれば生活保護を受給すべきなのに、申請していないか、申請しても却下されている人が多いからとされます。専門的には捕捉率と言って、生活保護が必要な人の何割が実際に生活保護の受給を受けているかという評価基準があります。

この評価基準では、日本は15〜18%程度の捕捉率になります。これは、ドイツの65%、イギリスの47〜90%、フランスの92%と比較しても、かなり恥ずかしい数字と言えます。生活保護は正当な権利ですから、必要であれば、誰もが使える状態でなければなりません。

むやみやたらに不正受給の話が出るけれど

日本では、生活保護というとすぐに不正受給の話になりがちです。しかしデータでは、日本における不正受給は、全体の0.4%程度にすぎないことがわかっています。もちろん不正受給は良いことではありませんが、大多数の生活保護は、本当に必要だから受給しているというのが実情なのです。

テレビでは、芸能人の親が生活保護を受けていて問題視されることがありますね。しかし、日本の民法では、強い扶養の義務(生活保持義務)が発生するのは、夫婦間と、親による未成年の子供に対するものだけです。成人した親子の間には、お互いに対する強い扶養の義務は発生しません。

仮に、自分が普通の生活をしているとします。そして親の財産が無くなり、生活ができなくなった場合は、自分のお金を持ち出すのではなく、親が生活保護を受給するということも検討すべきなのです。それに問題を感じるのであれば、ワイドショー的な野次馬アプローチではなく、きちんと法改正に向けた動きをすべきところです。

生活保護のための費用が国の財政を圧迫する?

確かに、生活保護のための費用が大きくなると、国の財政を圧迫する可能性も出てきます。しかし、日本における生活保護のための費用はGDPの0.5%にすぎません。これは、ドイツの3.4%、イギリスの2.8%、フランスの3.9%、そしでOECD平均の3.5%と比較しても、極端に小さな数字です。

また、生活保護で受給できる金額が、最低賃金や年金よりも大きいという不満を見かけることもあります。しかしこれは、逆に、最低賃金や年金の金額のほうが安すぎるという方向に考えないといけないのではないでしょうか。

介護をしていると、生活保護の存在が身近に感じられるようにもなります。親に生活保護を受けてもらうという視点もあれば、介護離職をしてしまい、自分の生活が困窮した結果としての生活保護の申請もあるでしょう。たとえ自治体の窓口で冷たくあしらわれたとしても、生活保護は、当然の権利です。必要であれば、申請をためらわないようにしてください。

※参考文献
・日本弁護士連合会, 『今、ニッポンの生活保護制度はどうなっているの?』

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