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高齢者祝い金(敬老祝金)という制度がいまだに存在していることの滑稽さについて

高齢者祝い金(敬老祝い金)制度の限界

高齢者祝い金(敬老祝金)とは

高齢者祝い金(敬老祝金)とは、77歳、80歳、88歳、90歳、99歳、100歳といった高齢者の年齢の節目において、自治体から支払われる祝い金のことです。自治体によって、支給されるタイミングや金額にばらつきがあり、驚くことに、100万円以上の高額が支給される自治体もあります。

ただ、寿命が伸びて高齢者の人口が増えた結果として、こうした高齢者祝い金を廃止する流れも出てきています。昨年度は、神戸市がこの制度を全廃したことで話題にもなりました。しかしいまもなお、手厚い支給がなされている自治体もあります。とはいえ今後は、日本全国で、こうした制度は撤廃の方向が示されていくでしょう。

このようなお祝いは本来、長年に渡って社会の発展に寄与してくれた高齢者に対する感謝を示すものだったはずです。お金ではなくても、感謝状など、コストがあまりかからない方法で、そうした感謝を形にするようなことは続けられていくべきだと思います。

どうしても解せないこと

日本の社会福祉に関する財政はどんどん厳しくなってきています。そうした中、他の自治体よりも先にこうした制度を見直すところがある一方で、いまだに高額支給を続けている自治体もあります。調べてみると、そうした大盤振る舞いをする自治体は、決して裕福というわけではないのです。

そもそも、現在の日本は、税収よりも支出の多い状態、すなわち赤字です。民間企業であれば、赤字なのに巨額の役員報酬を出すような会社は、破綻に向けて加速していくだけです。自治体も同じはずなのですが、そうした意識は、夕張市のように、本当に破綻するまで共有されないのでしょう。

本当は危険なのに「自分だけは大丈夫」という感覚になることを、心理学では正常性バイアスと言います。財政をめぐっては、この正常性バイアスは、日本中に認められる状態になってしまっています。しかし、夕張市の破綻は、対岸の火事ではないのです。

自治体の高齢者祝い金を確認しておきたい

まずは、みなさまがお住まいの自治体において「高齢者祝い金」や「敬老祝金」で検索してみてください。そして、他の社会福祉サービスが縮小されていく中、その金額が妥当なものかどうか、考えてみてください。妥当ではないと思われる場合は、自治体の窓口に対して、しっかりと意見を言っておくべきでしょう。

そうしたことをせずに、自治体が破綻してから文句を言っても遅いのです。そもそも、そのようなチェックがなされない自治体だからこそ、他の自治体よりも先に破綻するわけです。これだけの危機を他人事としている限り、自分自身も守れなくなってしまいます。

本当は、今からでは手遅れという面も否めないのが日本の財政です。それなのに、高齢者祝い金のようなものが支給されているということ自体がかなり滑稽です。小さなことかもしれませんが、こうした制度の存在が、国民の危機意識を緩めてしまっているとするなら、なんともやりきれない思いがしてきます。

※参考文献
・上毛新聞ニュース, 『高齢者祝い金 見直しで曲がり角』, 2017年7月18日
・ヨミドクター, 『敬老祝い金、廃止続々…高齢者増え費用膨らむ』, 2016年9月13日

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