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酒気帯び運転?入れ歯安定剤の影響かもしれません

酒気帯び運転?入れ歯安定剤の影響かもしれません

酒気帯び運転の裁判で判決が出た

ある酒気帯び運転の裁判がありました。この裁判の結果が、本当に正しいものだったかは不明です。ただ、この判決は、一つの意味で非常に重要なものとなりました。それは、入れ歯をしている人で、入れ歯安定剤を使っている場合、誤って飲酒運転と判定されてしまう可能性があるということです。

今回の判決以前にも、もしかしたら、誤って飲酒運転として裁かれてしまったケースもあったかもしれません。今後は、そうしたことが起こらないよう、広く周知されるべき判例となりました。以下、Yomiuri Onlineの記事(2018年8月19日)より、一部引用します。

道路交通法違反(酒気帯び運転)などに問われた男性被告の控訴審で、東京高裁(秋葉康弘裁判長)が「入れ歯安定剤に含まれるアルコールが検知された可能性がある」として、同法違反について逆転無罪とする判決を言い渡し、確定していたことがわかった。飲酒していなくても誤って摘発される恐れを指摘した極めて異例の判断で、警察の呼気検査にも影響を及ぼす可能性がある。(中略)

高裁は、男性が1審で、アルコールが検知された2回の検査直前の状況について「入れ歯と歯茎の間からはみ出た安定剤を指で取り除いた」と供述している点を重視。公判の過程で同じ条件で再現実験を行ったところ、飲酒していない状態にもかかわらず、安定剤を使用してから26分後に、呼気1リットル中0・15ミリ・グラムのアルコールが検知された。(後略)

お酒を飲んでいないのにアルコールが検出されたら

お酒を飲んでいないのにアルコールが検出されたら、まずは、入れ歯だったり、入れ歯安定剤を使っていないかを確認してください。無実なのに、裁判にまで発展してしまえば、精神的にもかなり大きなストレスになってしまいます。そうしたことがきっかけで要介護状態にでもなってしまえば、やりきれません。

では、入れ歯となっている高齢者はどれくらいの割合になるのでしょう。厚生労働省の歯科疾患実態調査(平成28年)にによれば、総入れ歯(全部床義歯)の人は65~69歳で8.9%、70~74歳で14.7%、75~79歳で20.1%、80~84歳で31.3%でした。なお、60歳未満の人であっても2.5%の人が総入れ歯でした。

日本の歯科衛生事情は年々改善しており、これでも、昔よりもかなり総入れ歯の人の割合は減少しているのです。とはいえ、まだまだ運転できるような年齢の高齢者が、総入れ歯である確率は、それほど低くはありません。また、総入れ歯でなく、部分入れ歯の人まで入れたら、かなりの数に登るので、注意が必要でしょう。

それでも気になることが・・・

それでも、すこし気になることがあります。入れ歯安定剤に含まれるというアルコールは、運転者の運転に影響を与えないのかということです。もし、このアルコールが体内に入ってしまい、入れ歯安定剤による酩酊(酔っ払い)状態が生じるとするなら、運転することはできません。

今後の調査研究を待っていたら、大きな事故の原因になってしまうかもしれません。入れ歯をしながら運転をしている人や、その関係者は、入れ歯をしている人が酔っ払い状態になったりしないかを確認することが必要です。特にお酒に酔いやすい人の場合は、注意が必要でしょう。

もし、入れ歯安定剤による酩酊状態が存在し、それによって起こってしまった事故が見つかった場合、大きな問題に発展します。ただ、おそらくは、そうしたことはないと思われます。杞憂に終わればよいのですが・・・。

※参考文献
・Yomiuri Online, 『「入れ歯安定剤でアルコール検知」酒気帯び無罪』, 2018年8月19日
・厚生労働省, 『歯科疾患実態調査結果の概要』, 平成28年

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