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住宅地の中にコンビニがやってくる?コンビニは地域包括ケアの拠点になれるか?

住宅地の中にコンビニがやってくる?

買い物難民 x 空き家問題 = イノベーション?

今更ですが、地元にあった昔ながらの商店は、どんどん消え去っています。問題は、その代わりとして新たな商店がオープンしないことです。75歳以上の後期高齢者が急増している今、買い物難民が問題になりはじめています。

これとは別に、空き家問題というのも、どんどん顕在化してきています。空き家は放置しておくと、周辺の住環境に悪い影響があります。こうした空き家の活用法として様々なアイディアが出されてきましたが、根本的な解決策になっているものは(いまのところは)ありません。

そうした中、たとえば戸建て住宅が密集している地域の空き家がコンビニになったらどうでしょう。近所の高齢者が利用しやすくなるだけでなく、高齢者にとっての働く場にもなりえます。これは、なかなかにすごい変化になりそうです。以下、日本経済新聞の記事(2018年7月22日)より、一部引用します。

国土交通省は主に住宅だけを建てられる地域に、新たに商業施設を設けられるように建築規制を緩和する。2019年夏から一定の条件を満たせばコンビニエンスストアなどをつくれるようにする。少子高齢化が進んで小売店が撤退したような地域では徒歩で通えるコンビニなどへのニーズが強い。(中略)

日本の都市計画は地域ごとに用途を定め、建てることができる施設を制限している。(中略)国交省は19年夏に定める政省令で規制を緩める。地域の用途ごとに新設を認める施設と、騒音や振動対策などの条件を定める。合致した施設は、都道府県や市区町村で有識者が審査や許可をする「建築審査会」の同意がなくても建てられるようにする。(後略)

介護ローソンのアイディアが活きるか?

こうして住宅地の中にコンビニが進出できるようになった場合、介護のプロを駐在させるという介護ローソンのコンセプトが活きるかもしれません。このコンセプトは、高齢者の暮らす住まいの近くであればあるほど、優位性が際立つ可能性が高いからです。

これは、既存の介護事業者にとっては、大きな脅威にもなります。既存の介護事業者が介護サービスのみを提供しているのに対して、介護ローソンのような存在は、介護サービスだけでなく、一般的な生活に必要なモノの販売も同時に行えるからです。

コンビニが、拡大を続けるネット通販からの宅配というビジネスモデルに対抗するには、とにかく、顧客の近くに寄っていくしかありません。こうした認識を持って、国土交通省に対してロビー活動を行ってきたコンビニ業界は、やはり、すごいと感じます。

コンビニは地域包括ケアの中核になれるか?

こうしてコンビニが狙っているのは、地域包括ケアの中核になることでしょう。コンビニは、ただモノを販売する便利な商店としての存在から、地域での暮らしの質を担保するサービス拠点に変わろうとチャレンジしているのです。

地域包括ケアの根幹にあるのは、住民による住民のためのケアです。もちろん、住民以外の第三者が介在しますが、第三者は地域包括ケアの主体ではありません。こうした活動の拠点となるのは、住民が自然と集まる場所です。ほとんど誰も寄り付かない公民館(ハコモノ)ではありません。

そうした人が自然と集まる場所の代表格が、まさにコンビニでしょう。かつて「食べれるしゃべれるコンビニエンス、食べれるしゃべれるミニストップ」として店内スペース(イートイン)の充実を進めたミニストップのモデルは、今では、スペースが許せばどこのコンビニでも採用しており、このノウハウも蓄積されています。機は熟しているようです。

※参考文献
・日本経済新聞, 『住宅専用地にコンビニ 国交省、規制緩和 高齢者暮らしやすく』, 2018年7月22日

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