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どこまで進む?コンビニの社会インフラ化

どこまで進む?コンビニの社会インフラ化

コンビニの高齢者シフト

コンビニ各社は、介護ローソンを皮切りとして、高齢者の顧客に向けたサービスを充実させはじめています。セブンイレブンは団地内への出店を開発中だったりと、コンビニによる高齢者の囲い込みは、まさに激戦と言ってよい状況です。

認知症サポーターの資格を持つコンビニのオーナーが増え、コンビニによる地域の見守りのレベルを高めれば、多くの高齢者が助かります。そうした背景から、行政もまた、この流れを応援しはじめています。以下、タウンニュースの記事(2018年3月23日号)より、一部引用します。

行政とコンビニエンスストアが連携し、高齢者の見守り活動を強化している。茅ヶ崎市は昨年12月にセブンイレブンと協定を締結したのに続き、3月15日にはローソンとも協定を結び、2社とも4月から本格始動する。(中略)

2社とも4月1日(日)から防災ラジオを設置し、放送を開始する。ほかにも、各店舗における高齢者雇用の推進、市の高齢者施策や地域活動支援へ協力。また、オーナーなど各店の代表者が市の認知症サポーター養成講座を順次受講し、認知症の見守りに備える。(中略)

(株)ローソン神奈川運営部・有田和正部長は「客層の幅が広がってきており、神奈川県は50歳以上の来店が4割弱。これからも、健康分野などで一緒にできることがあればいい」と話した。(後略)

高齢者の免許返納とコンビニの利用について

特に地方におけるコンビニの売上は、駐車場の面積と相関すると言われます。そのため、地方のコンビニは、大きな駐車場を備えていることが多く、その利用のされ方もおのずと理解できます。地方での生活においては、車が必須ということです。

ところが現在は、高齢者の免許返納が増えています。高齢者の運転には不安があり、重大な事故につながるリスクも高まっているからです。その認識が正しく広がっているのは良いことなのですが、等の高齢者にとっては、運転できなくなるということは、普通に暮らすことが困難になるということでもあります。

実は、免許の返納をした高齢者は、要介護状態になる危険性が8倍になる、という報告もあります。公共の交通機関があれば、必要なくなった自動車の維持費を使うことで、高齢者の日常も維持できるかもしれません。しかし、地方によっては、そもそも公共の交通期間が利用しにくくなっているというのが実情でもあります。

高齢者がコンビニまで移動できる状態を維持すること

コンビニに限らず、高齢者が外出する先となる場を維持し、そうした場の機能を充実させていくことは急務です。とはいえ、外出の足がないという状態では、いくら場を充実させたとしても効果は期待できません。それは結果として、その地域の衰退に直結してしまうのです。

高齢者の移動という部分が、そもそもの最重要課題なのです。理想は自動運転なのですが、自動運転の車が普及するには、まだ相当な時間が必要と思われます。そうなると、高齢者が自ら移動するか、それとも送迎を強化するかのどちらかしかありません。

高齢者が自ら移動するのを助けると、その分だけ身体を動かす機会にもなりますから、良い面もあります。ただそれは、高齢者の自宅とコンビニが徒歩圏内である場合に限られてしまいます。都市部であれば、そうした方向で進めることが可能かもしれません。しかし地方においては、これは事実上不可能という場合も多いのです。

送迎という意味では、デイサービスなどが、それを行っています。たとえば、デイサービスの車を、実質的なタクシーとしても活用できるようにするなど、高齢者が使いやすい移動のインフラを新たに考えていくことも必要ではないでしょうか。

※参考文献
・タウンニュース, 『茅ヶ崎市 コンビニと高齢者見守り セブンに続きローソンも』, 2018年3月23日号

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