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共働き夫婦に介護が降りかかってきたら・・・

共働き夫婦に介護が降りかかってきたら・・・

すでに壊れそうな共働き夫婦の姿

日本では、1992年に、共働き世帯の数が、専業主婦のいる世帯の数を上回りました。90年代後半からは、共働き世帯が専業主婦のいる世帯を上回り、現在は、約1,130万世帯が共働きだと考えられています。これは、専業主婦のいる世帯の1.7倍になります。

では、こうした共働きの定着を迎えて、それぞれの共働きはうまくいっているのでしょうか。ここに関して大きな疑問があるというデータが話題になっています。以下、yomiDr.の記事(2018年2月17日)より、一部引用します。

内閣府によると、6歳未満の子を持つ夫婦が家事・育児関連に費やす1日当たりの時間(2016年)は、妻の7時間34分に対して、夫は1時間23分と欧米の主な国の半分以下だ。

共働き世帯に限っても、妻は6時間10分、夫は1時間24分で、4時間46分の差がある。内閣府男女共同参画局は「日本の女性の家事育児の時間は長く、社会で活躍する時間が限られている」とする。(中略)

国税庁の調査によると、民間企業で働く会社員らの平均年収は2016年は422万円で、ピークだった1997年から46万円減った。子育て世代の男性の落ち込みが激しく、40~44歳で82万円、35~39歳で77万円減った。(後略)

これから世帯には介護が降りかかってくる

すでに現時点でも、共働き世帯における妻には不公平な負担が乗っています。ここに、これから介護が乗ってくると、どうなるでしょう。まず、夫の待遇も悪くなっているいま、負担を分散させるために、一時的に妻を専業主婦にすることは、経済的に不可能です。

この状況で、妻のほうに親の介護を任せながら、さらに妻には働いてもらうこともできないでしょう。介護にはなにかとお金がかかるため、仕事はやめられません。そうなると、夫のほうが介護に深く関わるしかありません。

しかし、通常の環境では、介護に深く関わりながら、同時に、仕事の待遇をあげていくことは困難です。むしろ、時短勤務や急な休むなどが必要になり、収入は減るのが普通です。ただでさえ昔に比べて減ってしまっている夫の給与が、さらに下がるということです。

このままでは介護離婚が増えてしまう

さて、日本では、女性の待遇は男性の半分程度とひどい状況です。アメリカでは、こうした男女格差はほとんどなくなっているのですが、そのために30年ほどの調整期間がありました。日本でも、この格差改善には、相当な時間がかかるはずで、急には進まないでしょう。

ただでさえ苦しい生活を強いられている子育て世代の世帯は、これ以上、世帯の年収を下げるという決断は難しいでしょう。すると、金額の大きい夫の稼ぎを減らすという決断は難しくなります。結果として、共働き世帯における妻の負担は、介護によって、さらに増えると考えられるのです。

しかし現代社会は、妻が、義理の両親の介護を行うという価値観は消えています。年に数回しか顔を合わせない義理の両親を、本当の家族のように感じている妻は少なくなっているのです。そこに、仕事と介護の両立が降りかかってしまえば、妻の気持ちは、夫から離れていくことは明白です。

かりに介護離職がゼロになったとしても、介護離婚が増えてしまうかもしれないということです。介護が原因となっている熟年離婚が増えていると言われてきていますが、正確なデータはありません。しかし、介護職に話を聞く限りでは、実感として、介護離婚はありふれたことであり、誰にでも起こりうるそうです。

※参考文献
・yomiDr., 『データで見る「共働き社会」…妻にのしかかる家事・育児、夫の年収は減少激しく』, 2018年2月17日

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