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いよいよ、高齢者のために空き家を活用する制度がはじまる

いよいよ、高齢者のために空き家を活用する制度がはじまる

高齢者の住宅問題

高齢者に対して住宅を貸すことにネガティブな大家は6割を超えます。これから、さらに高齢者が増えていくわけですから、この問題は拡大していくでしょう。KAIGO LAB でも、これまで何度も、高齢者の住宅問題について取り上げてきました

そもそも日本の人口は減っていきます。そうして空き家が増えていく横では、住宅が借りられない高齢者もまた増えていくわけです。高齢者が住宅を借りられないということは、日本の経済にとってもよいことではありません。

なお、日本の人口の減り方は、生半可なものではありません。2010年と2050年を比較すると、現在人間が住んでいる居住地のうち6割以上の地域で、人口は半数以下になります。現在は誰かが住んでいる地域のうちの2割は、誰も住んでいない無居住地になります。人口が増えるのは、わずか2%にすぎません(国土交通省, 2014年)。

この状況にあっては、高齢者に住宅が供給できない地域は、すぐに地域として成立しなくなってしまうでしょう。このため、高齢者の住宅問題は、他の様々な社会問題よりも優先順位が高く設定されているようです。以下、日経新聞の記事(2017年10月15日)より、一部引用します。

賃貸住宅への入居を断られやすい単身高齢者や低所得者向けに、空き家や空き部屋を活用する新たな制度が25日から始まる。所有者に物件を登録してもらい、自治体が改修費用や家賃の一部を補助するなどして、住まい確保につなげるのが狙い。政府は2020年度末までに全国で17万5千戸の登録を目指す。(中略)

登録条件は(1)高齢者らの入居を拒まない(2)床面積25平方メートル以上(シェアハウスは専用部分9平方メートル以上)(3)耐震性がある――など。自治体は登録された物件の情報をホームページなどで入居希望者に公開。物件が適正かどうか指導監督したり、入居後のトラブルに対応したりする。

耐震改修やバリアフリー化が必要な場合は、所有者に最大200万円を助成。低所得者の家賃を月額4万円まで補助したり、連帯保証を請け負う会社に支払う債務保証料を最高6万円助成したりする仕組みも設けた。(後略)

本格的に考えられている制度

まだ、報道からの印象にすぎませんが、この制度は、高齢者の住宅問題の解決につながる、本格的に考えられている制度になっているようです。特に、連帯保証に対して助成金がつくというところは、大家の気持ちを動かすのに大きく貢献します。

設定されている補助金が妥当かどうかはわかりませんが、確実に、状況は改善するでしょう。さらにこの制度は、高齢者だけでなく、低所得者もターゲットにしているところが重要です。苦労をしている母子家庭なども(少しは)救われると思われます。

とはいえ、まだ、この社会問題の解決には程遠い段階です。本来であれば、すべての人が、差別されることなく、自分でまかなえる予算の範囲において、または必要な援助を受けた上で、自分の住みたいところに住めるような社会になっていくべきです。

そうした未来への第一歩が、この制度によってはじまります。色々と嫌な話が多い中で、少しだけ明るいニュースです。まずは、この制度を成立させた官僚に対して、感謝の気持ちを伝えたいと思います。

※参考文献
・国土交通省, 『国土のグランドデザイン2050 参考資料』, 2014年7月4日
・日本経済新聞, 『高齢者の住まいに空き家活用 25日から新制度』, 2017年10月15日

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