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配偶者を介護したいですか?この質問への回答にみられる男女差について

配偶者を介護したいですか?この質問への回答にみられる男女差について

配偶者を介護したい男性は82.1%

オリックス・リビング株式会社による調査結果(2016年)によれば、配偶者に介護が必要になった場合「配偶者を介護したい」と考える男性は82.1%でした。これに対して、女性は65.9%と、男性とはかなり異なる結果になっています。

同調査では「配偶者に介護されたい」と考えた男性は67.8%であったのに対して、女性は34.9%でした。こちらは30%以上の開きがあることがわかっています。「配偶者に介護されたい」と考える理由は、信頼(32.9%)、安心(26.9%)、愛情(16.8%)となっています。

一般的な男性としては「配偶者に介護が必要になったら自分が介護をしたいし、逆に自分に介護が必要になれば配偶者に介護をしてもらいたい」といったギブ・アンド・テイクになっていることがわかります。

これに対して女性の場合は「配偶者に介護が必要になればやってもいいけれど、自分の介護は配偶者にはしてもらいたくない」という、配偶者間の介護そのものについて否定的な印象が強くなっています。

配偶者の介護について約9割は自信がない

配偶者を介護できる自信については、約9割(男性88.0%、女性89.0%)が自信がない状態(自信がない、自信はあまりない)であることがわかりました。男性は「介護をすることに自信はないけれど、配偶者の介護をしたい」と考えるのに対して、女性は「介護に自信がないから、配偶者の介護はしたくない」と考えているわけです。

そう考えると、老人ホームへの入居を希望するのは、男性よりも女性に多いということになります。介護が必要になって、夫婦のうち、どちらか片方が老人ホームに入居するような場合は、この男女差によって、どうしても不満が生まれることになるでしょう。

老人ホームのような介護施設と一般の賃貸住宅の中間的な位置にある「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」の人気がある背景には、こうした認識の男女差があるのでしょう。法的にはサ高住は介護施設ではないのですが、実質的にはそれに近い状態になっているところにも、同じ背景の存在が考えられます。

夫婦生活に満足している夫婦は8割以上

マネーゴランドの調査報道(2017年)によれば、夫婦生活に満足している男女は、どちらも8割を超えているとのことです。「とても幸せ」、「どちらかと言えば幸せ」の数字を合わせてみれば、年代別でも結果はほぼ同じです。

介護というイベントが、この幸福な夫婦生活を破壊するものにならないよう、考えていかないとならないのかもしれません。そのとき、介護に関する考え方に、かなり大きな男女差があるところは無視できません。

サ高住は、それを後押しする一つの解決策になっている可能性もあります。ただし、社会福祉におけるノーマライゼーションの理想からすれば、実質的に介護施設になっているサ高住が最終的な解決策でないことは明白です。

本当の解決策としての可能性があるのは、結局のところ、介護の多くの部分がロボットによって自動化されることなのかもしれません。ロボットの助けを借りれば誰でも介護ができるようになれば、幸福な夫婦を引き裂くようなことも必要なくなるからです。

※参考文献
・オリックス・リビング株式会社, 『「介護離職ゼロ」について、55.1%は内容を正しく理解せず』, press release, 2016年11月7日
・マネーゴーランド, 『来世は違う人と結婚したい妻が約7割…夫婦円満と収入に関する調査』, 2017年9月5日

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